大友戦記

アウトレイジ 最終章 (http://outrage-movie.jp/)

MOVIX亀有にて鑑賞。
で、


なんか、「ソナチネ」っぽいな。(苦笑)


いや、面白かったけどね。ただ、やっぱり導入部や主人公の大友の達観というか諦観というか、死に場所を探すような振る舞いがそう感じさせた。
しかし、ストーリーそのものは大友の居ない所で進展していくので、そこはそれアウトレイジらしく「ヤクザコント」といった感じになってる。
特に、最初の方のピエール瀧扮する花田の狼藉が韓国と日本のヤクザの間でどんどん(いろんな意味で)大きな問題になっていく過程は、まあイイ感じのコントだ(笑)。
でもって、その問題とは別に前作で関東をほぼ手中に収めた筈の花菱会内のゴタゴタがからんでくる。この辺は今現在進行中の実際のヤクザの話かと思うくらいリアル、というかある意味普遍性の有るアレなんだな。(苦笑)
でもって、例によってここから前作と同じようにアレがアレしてアレになるアレな展開。もうこの辺はお約束という感じ。


で、ラストはまあ北野映画の定番的な終局を迎える。ネタバレっぽいが、まあこの監督の場合は「ヤクザの話はこうしないと終わらない」という感じなんだろうと思う。ある意味監督のヤクザを描く上での矜持なのかもしれない。


ともあれ、前2作を観た人にはオススメ。で、観てない人は前2作を観てから観に行け。(笑)

藪の中

三度目の殺人 (http://gaga.ne.jp/sandome/)

MOVIX亀有にて鑑賞。
で、


これはつまり「藪の中」なんだな。(凄いネタバレ!*1 )


もう本当にこの一言に尽きる。
というか、映画序盤で主人公の重盛弁護士が堂々と「本当の事なんて当人しか分からない」と言っていて。これがもう結論であり主題であると言っても良いと思う。
けど、映画はコロコロと証言を変える容疑者の三隅に翻弄されて、観客は主人公と一緒に(すでに決定している筈の)結論から徐々に遠ざかり全く違う所に連れて行かれる感覚を覚える。これが非常に面白い。
そして、ある地点で「真実」と思われる「結論」に辿り着いた…と思わせておいて…という感じで、最後の最後まで翻弄される感覚が味わえる。
そうして、映画は唐突に終わる。本当に唐突に。
終映後に劇場を出るときに「私、エンドロールの後に何かあるんじゃないかと思って待っちゃった」と言っている人がいたのだけど、本当にそんな感じ。
なので、人によっては消化不良感があって駄目な場合もあろうかと思うけど、個人的には延々と観ているこちら側を翻弄してくれて、とても面白かった。


ともあれ、個人的には凄くオススメなので是非タイトルの「三度目」が何を指すのかを観に行けば良いと思う。

*1:冗談です

狭くて広い海

ダンケルク (http://wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk/)

ユナイテッド・シネマ豊洲にて通常盤を鑑賞。
で、


水、怖い。(汗)


いや本当に。
海を舞台にした戦争の描写は太平洋戦争を描いた日本映画でも結構あったけど、圧倒的にそれを凌駕する怖さだった。
でまあ、ダンケルクからイングランドまでわずか60kmあまりという近さにも関わらず、海によって阻まれるもどかしさがまた怖かった。


映画としては、撤退する歩兵達の1週間、ダンケルクまで歩兵を迎えに行く船の1日、撤退する船を守る為にダンケルクまで飛ぶ航空兵の1時間という、全く違った3つ時間軸を平行して描いて、最後に全ての時間軸が重なるという凝った作りにも関わらず、それを自然に見せる演出が巧かった。というか、3つの時間軸を同時進行させるのはエンターテインメント的に仕上げる為の方便だったのかもしれないけど、結果的にはそれが凄く上手くいっている。場面が変わる度にどの時間軸かの説明は無いけど、ちゃんとどの時間軸なのかが直ぐ判るし、転換する場面もそれとなく繋がりが有る事がちゃんと分かったりして面白かった。
で、この映画、戦争映画というよりパニック映画というかディザスタームービーの趣が強い。これもたぶん意図的なんだろうけど、敵対しているドイツ側の人が全く顔を見せないので、戦争というより事故か何かの大災害から逃げる話っぽくなってて、それはそれで面白かった。


ただ、ちょっと気になったのは、ダンケルク撤退戦という40万人の兵士が脱出した大作戦なのだけど、この映画で描かれているのが、ほんの一面どころか作戦全体のはじっこのはじっこ位の小さな一局面の話に限定されている事。もちろん意図的にそうしているのだろうけど、観ている方としては大作戦の割にはチマチマした小さな話に見えちゃう部分が結構ある。ぶっちゃけ大作戦に見える部分はあまりなくて作戦の規模は司令官の台詞に任せてるという感じがしてしまった。


ともあれ、連合国側にとっては撤退戦という基本「負け戦」の話なのでこれまであまり映像化されていなかった戦いなので、その面ではかなり興味深い映画だと思う。というか、単純に面白いのでかなりオススメ。

侵略と略奪と同化と

散歩する侵略者 (http://sanpo-movie.jp/)

MOVIX亀有にて鑑賞。
で、


ちょっと引き込まれるタイプのSF


という感じ。
いや、面白かった。
市井の一般人に紛れ込んだ宇宙人*1がじわじわと日常を侵略していく…という部分だけだと、ゼイリブとかヒドゥンとかの過去のSF作品でお馴染みの話なのだけど…なんというか、そこから微妙にズレた感覚が面白かった。
具体的に言うと宇宙人は人類から有るモノを奪って自分のモノにしていくのだけど、それをどんどん繰り返していくと、宇宙人はどんどん人類に近く、というか人類そのものになっていくのが興味深かった。これって「侵略」の話であるのだけど、もしかすると実態はその逆で宇宙人が人類に取り込まれていく話にも見えるあたりが凄く面白い。
でもって、そんな不思議なSF設定で「言葉とは何か?」「所有とは?」「人類とは?」「愛とは?」みたいな明確な答えが用意されていない問いが観る側に湧き上がるのも、ちょっと面白かった。


で、劇団イキウメの原作は観ていないのだけど、このお話、初期の新井素子作品っぽいのね。さらにタイトルやら全体の雰囲気はちょっとウルトラセブン(の中の難しい話)に近い感じもする。前に同じイキウメの戯曲が原作の「太陽」を観たときもちょっと思ったんだけど、凄く私と同世代というか同じ時代の同じ物を観てきた感じが凄くする。*2


で、主演の松田龍平はもうこの人は日常に存在す違和感、異物感を表現させたら一流なので完全に役に同化してた。その妻の役の長澤まさみは良くも悪くもいつもの長澤まさみなんだけど、「失った」表情は凄く良かった。あのシーンで(ネタバレにつき略)たのは大正解だと思う。
あと、とあるシーンで登場している東出昌大が、もう最高。(笑) 以前から思ってたアレな感じをここまで上手く使った配役は無いと思う。(本人も良く引き受けたよな)


ちょっとだけ難点を言うと、長谷川博己扮するフリー・ジャーナリストの行動の動機というか感情の変化みたいなのが唐突すぎて判りづらい感じがした。なんか、その場その場で考えがコロコロ変わる困った人に見えなくも無かった。
それと、「宇宙人」の細かい設定について色々言いたい事は無い訳じゃない、けど、まあ面白かったのでそこは目を瞑ろう。(苦笑)


というわけで、歴史に残るかどうかは判らないけど、お話にグイグイ引き込まれるタイプの傑作でございました。オススメ。

P.S.
黒沢清監督って人が黒くなって死ぬシーンが好きなのかな?(謎)

*1:と呼べるかはぶっちゃけ怪しい

*2:今ちょっと調べたらイキウメの前川知大氏は世代的にも近かった。(苦笑)。

現実と妄想と宇宙と

美しい星 (http://gaga.ne.jp/hoshi/)

TOHOシネマズ日本橋にて鑑賞。
で、


私はヘンな映画を観た!(今年初)


という感じ。
もうちょっと分かりやすく言うと、


未知との遭遇」かと思って観てたら「クヒオ大佐」だった!


とも思った。(全然分かりやすくなってない)
吉田大八監督は以前から美しい星を映画化したいと思ってたらしいので、クヒオ大佐のアレは本当はこの映画の為に考えてたアイデアを流用したのかも、とまで思った。

というネタバレ気味の話はともかく*1、まあとにかく不思議でヘンな映画だ。
それこそ、未知との遭遇と同じ様に、全て真実だと思えばそれも成立するし、全てが妄想だと思えば、それもまた成立する話になってた。これが実に面白い。
主演のリリー・フランキーも飄々としたお天気キャスターらしくて良いなと思ってたら「目覚めた」後のおかしなテンションに至る姿も、また良くて面白い。
で、橋本愛が凄く良かった。以前にも書いたかもしれないけど、この人、日本映画界での典型的な「美人過ぎて損をしている」枠の人だと思ってたのだけど、この映画では、まさに「美人過ぎて、それがコンプレックスになっている」役だったので、これはもう我が意を得たりの絶妙な配役。もう、この配役だけで個人的には合格だった。(笑)
議員秘書を演じる佐々木蔵之介も演技も良かった。ある意味、この役は物語の「現実と虚構」の何方でもあって何方でも無い感じを醸し出すのに凄く重要な位置に居る人なのだけど、そのどちらでも成り立つ様な不思議な演技で凄く良かった。


ちょっとだけ難点を言うと、亀梨和也の長男と橋本愛の長女の二人がラスト付近でちょっとだけ「戻ってきてる」感じがするのが気になった。ここは最後まで突き抜けても良かった気がする。
あと、この映画は観る人によっては「ワケワカラン」と言われかねない気もしないでもない。


ともあれ(何がともあれだ)、監督の作品では一番の傑作だとお思う。オススメ。

*1:ネタバレ…なのかな?

ダーク・ヒーロー誕生譚

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ (http://www.zaziefilms.com/jeegmovie/)

ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。
で、


キック・アスでもマーベル・ヒーローでもない、ダーク・ヒーロー誕生譚


という感じ。
インスパイア元の鋼鉄ジーグは幼少の頃に観たような観なかったような…という認識。むしろ、マグネットの球体関節を使った画期的なオモチャとしての印象が強い。私自身は持ってなかったけど、持ってた友達が何人か居た記憶。
という程度なので、ぶっちゃけ鋼鉄ジーグのストーリーはこの映画の鑑賞後にWikipediaで見たので、まあ何も知らんで観に行ったと言って良いと思う。¥


という前置きはともかく、この映画、割とちゃんとした「ヒーロー映画」だ。主人公は行き詰まり感漂うチンピラだったり、アレな廃棄物に曝されてスーパー・パワーを獲得したり、力の使い道が分からなかったり、アレでアレなきっかけで「正義」に目覚めてしまったり…。とまあ、わりとベタだ。


けど、それをお子様ランチにもマーベル・ヒーロー的にもキック・アス的にもなっていないのは、背景となる舞台が、まあ嫌な感じにリアルだからという感じ。
逃げる主人公が暴力反対デモのど真ん中を暴力から逃れる為に逃げ回る辺りは、しょってから嫌味な展開。それ以降も、まあ理不尽で嫌な展開が多い。なるほど、これは PG12だわ、という感じ。


あとはネタバレになりそうなのでこのくらいにするけど、とりあえず、まあリアルかつダークなヒーロー物としては割と傑作だと思う。オススメ。

あなたの人生の物語

メッセージ (http://www.message-movie.jp/)

MOVIX亀有にて鑑賞。
そして原作は未読。
で、


どこかで観たSFのエッセンスを集めた様な話。


たしかに面白いし、正直、終盤の電話のくだりは結構鳥肌が立つくらい良かった。
けど、どのシーンをみても既存のSFを思い出してしまうのが気になった。
たとえば、「幼年期の終り」とか「永劫」とか「10月1日では遅すぎる」とか「タイムスケープ」とか「ブラッドミュージック」とかとかとかとか…。*1
なので、「そりゃ、過去の傑作SFの面白い要素を寄せ集めて作っただけあって、面白いよな」という感覚が最後まで消えなかった。


と個人的に欠点になってしまう部分もあるけど、映画そのものの作りは、凄く巧い。
問題のアレの全容を見せないで話を進行していったり、序盤から要所々々でフラッシュバックする記憶の描写だったり、ある意味「思わせぶり」な演出が凄く巧みなので、観ているこちらをグイグイ引き込んでいく力が有って良かった。
ついでに言うと、単純なラブストーリーになっていないのも好感が持てる。てか、これは原題の通り「あなたの人生の物語」だというのが、ちゃんと解るようになってて、これもまた巧い。


と言う具合に、映画そのものとしては凄く良くできているので(原作自体がそうなのかもしれないけど)、過去の名作SFをあまり知らない人の方が食いつきが良いかもしれない。
と言う訳なので、チマチマと過去の名作が頭に浮かばない人にはかなりオススメ。

*1:てか、SFの世界には「幼年期の終り」の子供達が多すぎる。

重苦しい3月

3月のライオン 後編 (http://www.3lion-movie.com/index.php)

MOVIX亀有にて鑑賞。
で、


3月のライオンって、こんな重苦しい話だったっけか?


という感じ。
一応原作は読んでいるし、話の粗筋的には(ラスト以外は)原作に有るエピソードを綴っているのだけど、どうにもこうにも重苦しくてしんどかった。
これもやっぱり前編の時といっしょで、息抜きになるようなコミカルなパートとコメディ・リリーフ的なキャラクターをバッサリ切ってしまった所為だと思う。
なので、全般的にイジメや、やっかいな近親者の辛い話と将棋という競技の苦しさみたいなので全編埋まっているので、最初から最後までずーっと息が詰まる感じ。
しかも、メッセージとして将棋という競技の楽しさを伝えようとしている台詞が有ったりもするんだけど、将棋に関しても重苦しい話が展開されているので、正直「楽しい」と言われても説得力に欠けていた。
むしろ、ここまで苦しい状況が有るにもかかわらず、それでも将棋が好きと言ってしまう人達に、ちょっとした狂気まで感じてしまった。


全般的には、前編で感じた違和感がより強調されてしまったので、微妙に感じていた「嫌な予感」が当たってしまった感じ。残念。


と、ここまで書いてきて思ったのは、原作のシリアスとコミカルの匙加減が如何に絶妙だったのかということ。やっぱり羽海野チカって凄いんだな。
ただ、これは原作を知っている私の視点からの見方なので、原作を一切知らないという人は、また別の印象を受けるかもしれん。


ともあれ、ちょっと原作を知っている身としてはクエスチョン・マークが着く出来でございました。残念。

違和感的攻殻機動隊

GHOST IN THE SHELL (http://ghostshell.jp/)

MOVIX亀有にて鑑賞。
で、


ハリウッド版の「ぼくの考えた攻殻機動隊」なのかな?


という感じ。
当然のようにベースに成っているのは押井守版の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」。
なのだけど、要所々々で全く違う文脈で押井守版のシーンの丸コピーが挿入されてたりして、ちょっと面食らう。というか、押井版を観た人にとっては相当な違和感だと思う。
なので、個人的には終始頭にクエスチョンマークが点滅する感じで、ちょっと映画に入り込めなかった感が否めない。
で、これはネタバレになりそうだけど、根本的なテーマというか、何を是として何を非とするかの哲学が全く違う感じがした。にもかかわらず主人公の「少佐」は押井守的なセリフを言ったりするので、なんか言ってる事と映画全体のテーマが食い違ってる感じがして、これも違和感に拍車を掛けている感じがした。
それと、ラスト近くまで観て気がついたんだけど、これはアレかな押井版に繋がる「エピソード・ワン」を作りたかったのかも。とか思った。押井版の(良くも悪くも)悟りきった少佐と違って常に悩んで迷い続けてる少佐の姿は、これがエピソード・ワンだと思うと、割と合点が行く。とは言え、途中に押井版のシーンの丸コピーが挿入されているので、それもちょっと失敗している感じもした。
それと、ここまで押井守リスペクトでやるのだったらBGMはバリバリのハリウッド調じゃなくて川井憲次を使えば良かったのになぁ。


という感じで、けっこう押井守愛とハリウッド的文脈が捻れておかしな感じになってる様に観えたのだけど、その押井守監督が絶賛してた意味が分かった。ストーリーとか世界観とかアクションとかじゃなくて、某ガブリエル君(謎)のお陰だ。あの人はコレを出しておけば満足なんだよ、きっと。(笑)


あ、それとトグサの銃はマテバじゃなくてチアッパ・ライノだった。同じアンダーバレル・リボルバーなので外見は似てる(というか設計者が同じ)けど、違う銃です。*1


という訳なので、原作版とか押井版とか神山健治版とかを知っている人にはオススメできないけど、それらを全く知らない人には良いのかもね。個人的にはオススメしませんが。(笑)

*1:元ガンマニアのこだわり(笑)

帰ってきた悪ガキ

T2 トレインスポッティング (http://www.t2trainspotting.jp/)

MOVIX亀有にて鑑賞。
で、


ちゃんとトレインスポッティングで面白かった。


けど、前作を観てない人にはどうなんだろ? とも思った。
まあ、なんというか、全般的に前作ファンへの接待が凄い。前作と全く同じアングルのカットを使ったり、前作のシーンそのものをカットバックで挿入したり、登場人物達が街角で20年前の自分達の幻影を見つけたり、前作同様にシリアスな場面でもフィクショナルななカットがあったり、とまあ前作のファンが見た瞬間にニヤリとするような場面がてんこ盛りだった。
けど、それって前作を観てない人には「なんのこっちゃ?」なのかもしれん。
なので、前作を観ていない人は、DVDでネット配信でも良いけど前作を観ておくのが良いと思う。


でもって、内容はまあダメガキや悪ガキはオッさんになっても変わらないよね。と言う感じ。けど、今作の新ヒロイン(なのか?)のブルガリア出身(と言っていた)ベロニカのキャラウターがキュートかつ知的で良かった。で、その知的ってのも馬鹿なオッさんに合わせて一緒に馬鹿っぽく振舞っているけどその実は結構ちゃんと考えていたりするようなキャラクターになってて面白かった。ベロニカ役のアンジェラ・ネディヤルコヴァと言う人はオーディションで選ばれた人で他の出演作が見当たらないんだけど、この人ちょっと良いぞ。


で、前作ではさほど掘り下げて描かれてなかった記憶があるんだけど、レントンとシック・ボーイ(今回の偽名?はサイモン)は反発する描写が多いけど似た者同士な部分が多めに描かれていた。前作のトニーの死を引きずってるレントンと「修道院」で死んだ赤ん坊(恐らくシック・ボーイの子)の事を引きずってるシック・ボーイ。とっさに出まかせの口車でベグビーを諌めるシック・ボーイと口八丁で金を集めたり窮地を脱したりするレントン。ベグビーやスパッドと違って本当は地頭は良いという感じは面白かった。
そのベグビーは、えーと、まあロバート・カーライル太ったよな(笑)。という部分はともかく、直情的で凶暴で、やっぱりこういう人が側にいたら絶対に嫌だよなぁ(苦笑)。そして、今回凄く重要な役割を演じるスパッドは、20年たってもやっぱりボロボロのジャンキーなのだけど、まあ正直で良い奴になってた。この映画の世界では出てくる人は嘘つきばかりだけど、スパッドだけは常に正直で本当の事を言ってた(嘘をつく知恵が無いという事なのかもしれんが)。その正直さがラストに…(以下略)。
そうそう、前作で凄い美少女だったダイアンは意外な(でもない?)役で出ていた。一時ケリー・マクドナルドが「太ったおばさん」風になってたので心配だったけど、ちゃんと品の良い「元美少女の美女」になってて、ホッとしました(笑)。


ともあれ、前作を観た人は必見の映画であるし、前作を観てない人は前作を観てから観に行け!という映画。オススメ。