違和感的攻殻機動隊

GHOST IN THE SHELL (http://ghostshell.jp/)

MOVIX亀有にて鑑賞。
で、


ハリウッド版の「ぼくの考えた攻殻機動隊」なのかな?


という感じ。
当然のようにベースに成っているのは押井守版の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」。
なのだけど、要所々々で全く違う文脈で押井守版のシーンの丸コピーが挿入されてたりして、ちょっと面食らう。というか、押井版を観た人にとっては相当な違和感だと思う。
なので、個人的には終始頭にクエスチョンマークが点滅する感じで、ちょっと映画に入り込めなかった感が否めない。
で、これはネタバレになりそうだけど、根本的なテーマというか、何を是として何を非とするかの哲学が全く違う感じがした。にもかかわらず主人公の「少佐」は押井守的なセリフを言ったりするので、なんか言ってる事と映画全体のテーマが食い違ってる感じがして、これも違和感に拍車を掛けている感じがした。
それと、ラスト近くまで観て気がついたんだけど、これはアレかな押井版に繋がる「エピソード・ワン」を作りたかったのかも。とか思った。押井版の(良くも悪くも)悟りきった少佐と違って常に悩んで迷い続けてる少佐の姿は、これがエピソード・ワンだと思うと、割と合点が行く。とは言え、途中に押井版のシーンの丸コピーが挿入されているので、それもちょっと失敗している感じもした。
それと、ここまで押井守リスペクトでやるのだったらBGMはバリバリのハリウッド調じゃなくて川井憲次を使えば良かったのになぁ。


という感じで、けっこう押井守愛とハリウッド的文脈が捻れておかしな感じになってる様に観えたのだけど、その押井守監督が絶賛してた意味が分かった。ストーリーとか世界観とかアクションとかじゃなくて、某ガブリエル君(謎)のお陰だ。あの人はコレを出しておけば満足なんだよ、きっと。(笑)


あ、それとトグサの銃はマテバじゃなくてチアッパ・ライノだった。同じアンダーバレル・リボルバーなので外見は似てる(というか設計者が同じ)けど、違う銃です。*1


という訳なので、原作版とか押井版とか神山健治版とかを知っている人にはオススメできないけど、それらを全く知らない人には良いのかもね。個人的にはオススメしませんが。(笑)

*1:元ガンマニアのこだわり(笑)