現実と妄想と宇宙と

美しい星 (http://gaga.ne.jp/hoshi/)

TOHOシネマズ日本橋にて鑑賞。
で、


私はヘンな映画を観た!(今年初)


という感じ。
もうちょっと分かりやすく言うと、


未知との遭遇」かと思って観てたら「クヒオ大佐」だった!


とも思った。(全然分かりやすくなってない)
吉田大八監督は以前から美しい星を映画化したいと思ってたらしいので、クヒオ大佐のアレは本当はこの映画の為に考えてたアイデアを流用したのかも、とまで思った。

というネタバレ気味の話はともかく*1、まあとにかく不思議でヘンな映画だ。
それこそ、未知との遭遇と同じ様に、全て真実だと思えばそれも成立するし、全てが妄想だと思えば、それもまた成立する話になってた。これが実に面白い。
主演のリリー・フランキーも飄々としたお天気キャスターらしくて良いなと思ってたら「目覚めた」後のおかしなテンションに至る姿も、また良くて面白い。
で、橋本愛が凄く良かった。以前にも書いたかもしれないけど、この人、日本映画界での典型的な「美人過ぎて損をしている」枠の人だと思ってたのだけど、この映画では、まさに「美人過ぎて、それがコンプレックスになっている」役だったので、これはもう我が意を得たりの絶妙な配役。もう、この配役だけで個人的には合格だった。(笑)
議員秘書を演じる佐々木蔵之介も演技も良かった。ある意味、この役は物語の「現実と虚構」の何方でもあって何方でも無い感じを醸し出すのに凄く重要な位置に居る人なのだけど、そのどちらでも成り立つ様な不思議な演技で凄く良かった。


ちょっとだけ難点を言うと、亀梨和也の長男と橋本愛の長女の二人がラスト付近でちょっとだけ「戻ってきてる」感じがするのが気になった。ここは最後まで突き抜けても良かった気がする。
あと、この映画は観る人によっては「ワケワカラン」と言われかねない気もしないでもない。


ともあれ(何がともあれだ)、監督の作品では一番の傑作だとお思う。オススメ。

*1:ネタバレ…なのかな?