幸せな真実

リップヴァンウィンクルの花嫁 (http://rvw-bride.com/)

新宿バルト9にて鑑賞。
で、


これは、嘘と真実と不幸と幸せの物語なのだな。


と思った。
この映画は「不幸な嘘」で始まり「不幸な真実」を知り「幸せな嘘」に浸り「不幸な真実」につきあたる、けど本当は世界には「幸せな真実」も沢山有るんだよ…。という映画に見えた。
もうちょっと具体的に…と思ったけど、この映画って、


まあ嘘ばっかなんだわ。(笑)


なので、色々と書くと漏れなくネタバレになっちゃうので、詳細は書かない。*1
でも、まあ3時間と長い映画で、スペクタクル(?)な展開も殆ど無いのだけど、ちゃんと飽きさせず時間を感じさせずに最後までファンタジックかつリアル(?)な話で興味を引っ張ってくれる映画だった。それと、ちゃんと鑑賞後の後味を良く仕上げているので、安心して観て良いと思う。


てか、岩井俊二監督って、まあ優しくなったよな。
以前の監督だったら、もっと登場人物を追い詰めて酷い目に、どころか残虐な目にあわせたりして、しかもそれを文句のつけようの無いくらい美しい映像で撮ったりする事が多かった印象なのだけど、どうも最近はその辺が「優しく」なった印象。
とはいえ、今回は映像的には初期の岩井俊二作品を彷彿とさせるような映像が要所々々で見られるのは面白かった。


主演の黒木華は美人すぎず、良い人すぎず、自己主張しすぎず、空気の様に良い感じの人を演じていて、凄く良かった。この主人公みたいな人は好きだな。
で、それと好対照だったのが Cocco 演じる真白で、奔放で少々エキセントリックなキャラクターで。これまた良かった。
そして、綾野剛も信じられない(信じちゃいけない?)程に胡散臭くて息をする様に嘘をつく謎の男を好演してて、これもまた凄く良かった。


ともあれ、ネタバレがあるので細かく書けていないけど、色々と考えるモノがある映画でもあるので、観た後に色々と語りたくなる映画だと思う。オススメ。

*1:それはいつもだろって言うな