土地に歴史、あり

残穢 - 住んではいけない部屋 - (http://zang-e.jp/)

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
で、


ホラーと言うより、ミステリーとして面白い。


ただし、宣伝で言われていた「手元に本を置いておくことすら怖い」と言うのは、この映画からは良く判らなかった。
一応ホラーという事なんだけど、序盤からずーっとホラー描写はとにかく少ない。スタートこそ部屋に発生する「音」等の間接的ではあるけど超常現象的な描写はあるんだけど、それ以降は地縁、血縁を探る事によって、怖いと言うより「なんとなくイヤ」な感じがずーっと続くのが非常に面白かった。
この嫌な感じはアレだ、横溝正史のミステリーの雰囲気に近い。というか、横溝正史作品の現代ホラー版と言う感じすら、する。
主人公の「私」が一切心霊的な事物を信じていないという始まりも非常に効果的で良かった。普通のホラーに有りえないくらい、主人公周辺に起こる事が(ネタバレにつき略)というのが特長的で興味深かった。


なので、そこまで雰囲気的な怖さを巧く表現してきただけに、一部にある(所謂)Jホラー描写的な物にかなり強い違和感を感じた。ぶっちゃけ「あー、結局コレをやっちゃうのか〜」とガッカリした面も、ある。いっそ物理的な(?)ホラー描写は一切無くても良かったんじゃ無いかな? とか思う。


あと、橋本愛は可愛かったが眼鏡をかけた竹内結子はもっと可愛かった。(笑)


ともあれ、言われてるほど怖くない*1ので、ホラーを期待するより心霊現象に端を発する日本的、土俗的なミステリーを堪能するつもりで観ると、かなり面白いと思う。オススメ。

*1:と思うけど、私は強烈なくらい現実主義的な両親に育てられたので、ちょっと一般と感覚が違う可能性も、ある