リトル・フォレスト 冬・春 (http://littleforest-movie.jp/)
新宿ピカデリーにて鑑賞。
で、
生きるという事はこういうこと。
という感じ。
前編の「夏・秋」から引き続いてひたすら作っては食べるをミニマルに繰り返しているのだけど、結局のところ、それは生きていくという事だというのがジワジワ判っていく感じで良かった。
「夏・秋」を観た時に思った事は殆ど書いてしまったので、あまりここで書く事も無いな。(苦笑)
そのくらい、テーマというか言いたい事は変わっていないのかも。と言うより、ひたすら食の繰り返しを見せる事によって、観た側に何を感じたか問う用な感じもする。
「夏・秋」のラストで「不在の母」の存在(?)がちょとクローズアップされて、「冬・春」では母が出ていった時の事が描写されてはいるのだけど、結局のところ母に関する描写は少なめで、結論じみた事は無いように感じられる。という部分も、またどう思ったのか問われている感じもする。
という感じなので、この映画が訴えるテーマ的な物よりも、作って食べて生きていくというどうしようもない現実を目の当たりにして「どう考えるか」という映画みたいなので「何が言いたいのか判らん」という人も、それはそれでその人の結論なんだと思う。そう言う意味で、ちょっと観る人を選ぶかもしれん。
で、ラストは "Dessert" と題して、ちょとした後日談になっている。これを観た直後は「これはちょっと蛇足だったんじゃないか? その後を描写せずに想像させる方が良かったのでは?」と思ったのだけど、ちょっと時間を置いてから考えると、映画として無駄に不穏な感じを残さずにお話をちゃんと終わらせるには、これはこれで良かったのかもしれないと思えてきた。
ともあれ、ちょっと色々考えるには眼に美味しい、良い感じの映画になっているので個人的には結構オススメ。
余談:
「夏・秋」を観た時にえらくお腹がすいたので、今回は食事をすませてほぼ満腹な状態で観たのだけど、やっぱりお腹がすいてしまった。そのくらい食欲を刺激する映画である、とは言える。(苦笑)