やぎと子供と子供と大人と

やぎの冒険 (http://yaginobouken.jp/)

池袋テアトルダイヤにて鑑賞。
予想外に面白かった。
と言うか、これ、いい映画だよ。沖縄の田舎な部分と、そこに住む人達の生活がキチンと描かれていて良い。沖縄に関して詳しくない私の目から見ると、それは凄くリアルな描写に見えたんだけど、地元の人達も納得するような描写であったらしい。
ともあれ、今までいくつか見た沖縄を舞台にした映画の中では格段に良く描けているように見えた。
で、話題になっていた監督が中学生であるという部分なのだけど、全体としては殆ど気にならなかった。というか、普通に巧い。
ただ、この映画を絶賛している人達みたいに「とても中学生の子供が撮ったようには見えない」とは思わなかった。
と言うのも、それは悪い意味では無くて、大人になった人には表現できないであろうと思われる「子供描写」が凄く生きているという事。例を挙げると、とある状況でポケットに手を突っ込んだまま走る子供というカットは大人には思いつかない。それと登場する大人たちの振舞いが「子供からはこう見える」という感じに仕上げられてる。監督は14歳という事なんで、ギリギリ小学生的な視線がまだ残っているんだなぁ、と思った。これがもうちょっと歳をとると皆忘れちゃうんだろうけど…って、いや忘れないで欲しいなぁ。こういう子供目線の表現を出来る人は貴重だから。*1
それと忘れちゃいけないのが山羊。
ペットとしての山羊と食材としての山羊というのは、この物語の主題になる部分なのだけど、ここであえて説教臭い話を持ち出さないのは好感が持てる。これ、ちょっと油断するとすぐ説教臭い教訓話になっちゃうんだよ。
で、何よりも山羊の演技が凄い(笑)。
余りに素晴らしい山羊の演技に感動したので、エンドクレジットに「やぎ担当」という人が居たのもさもありなんという感じ。


と言う訳で、もうすぐ東京での公開は終了してしまうみたいだけど、沖縄の映画や子供目線の映画が好きな人は観ると良いと思います。オススメ。

*1:余談だけどスタジオ・ジブリにも子供目線の巧い人が居るよな