母と娘の物語

麦子さんと (http://www.mugiko.jp/)

久々のテアトル新宿にて鑑賞。
で、


ええ話やなぁ…と思うほどでは無いけど、良い映画。


まあ、そんな感じ。
ストーリー的には、突然現れた母がまた突然亡くなり、娘は母の故郷に来て、初めて母の夢を知る…なんて言う、最近流行りの里帰り系の話っぽい。朝ドラの「あまちゃん」との類似性を指摘している人が多いみたいだけど、あんなにファンタジーでもベタなコメディでも無い、かなりリアル側に寄せた話になってる。
で、昨今の映画で主人公の「成長」が無いと納得しない人もいるようだけど、この吉田恵輔監督は主人公が目に見えて分かるような成長を見せない様な映画が得意な感じ。今まで「純喫茶磯辺」と「ばしゃ馬さんとビッグマウス」を観てきたけど、そのどちらも主人公達は目に見える大きな成長と言うより、ちょっとした微妙な変化といった程度に留まる感じになってた。
この作品もまた同じで、それほどドラマチックな変化は訪れないけど、結果としてやっぱり微妙な変化を生じただけ…。と行った感じの雰囲気。私見だけど、その方が人としてはリアルな感じがするので、非常に好ましい印象を持ってる。人ってそんなに急には変わらない…と思うんだよね。
それと、今まで堀北真希という女優さんは美人過ぎて損をしているタイプの人だと思ってたんだよね。それはまあ間違ってないとは思うんだけど、今回はその美人さが良い感じで生きる役柄だった。なにしろ、母の若い頃に瓜二つで、さらにその母が町中の男達のアイドルだったという話だから、まあこれは美人じゃないと話が通じないからね。確かに「何の名所も無い」片田舎に堀北真希みたいな美少女が居たら、そりゃ地元の男達は夢中になるわな。という感じ。その瓜二つの母の若い頃を演じた時は、微妙に表情の作り方を変えてる感じで、個人的には好感が持てた。
ただ、堀北真希が歳をとったら余貴美子に成るかと言われると、ちょっと疑問…いや、ちょっと所じゃなく疑問なのだけど、まあそれは映画だからなぁ。(笑)


ともあれ、母と娘の物語としては結構良くできた映画だと思う。人によっては泣きのツボに入るかもしれんね。わりとオススメ。