狂気を笑ってなぜ悪い!

地獄でなぜ悪い (http://play-in-hell.com/)

久々の新宿バルト9にて鑑賞。
ストーリーその他は公式サイトなぞを観てもらう事にして…。
で、


私はヘンな映画を観た!(笑)


もう徹底してヘンだ(笑)。
しかし、園子温監督の迸って溢れ出してる映画への愛情が凄まじい。
序盤から恐らく監督の分身とも言える「平田」の映画への異常というか狂気に近い愛情が滲みだしていて、普通っぽいシーンも観てるうちにクスクス笑いが止まらない。そして、一方のヤクザの面々も揃いも揃ってどこか狂気を秘めていて、こちらもまたクスクス笑いが止まらない。
そして、両者の話が繋がった時に、映画の神様というより、狂気を伴った笑いの神様が降りて来る。もう笑いが止まらん。(笑)
しかしまあ、これ笑える部分は全編通して不謹慎なので、良識派の方は困ってしまうだろう。けど、こっちは知ったこっちゃないので盛大に爆笑である。
そうだ、これは映画だ、笑ってなぜ悪い!(笑)


そして、キャストも良い。ヤクザの組長を演じる國村準はニコニコしながら人を殺す狂気を見せるし、映画バカの平田を演じる長谷川博己は、歴史に残る映画を作れるのであれば人死も辞さないどころか自分の命すら要らないという狂気をこれ以上無いくらいに見せてくれる。そして、組長の娘を演じる二階堂ふみはまだ幼さの残る顔なのに男を従わせるオーラを伴った狂気を見せる。それ以外の殆ど全てのキャストもどこか狂気を伴った演技を見せる。素晴しい。
そうか。これは狂気を笑う映画なのだな。
だから、やっぱり良識派の人達はきっと駄目だろう。けど、私は馬鹿映画に目が無いタチなので、狂気の伴った馬鹿を笑う事は全然平気なので問題無し。


細かい事を言えば、平田とヤクザの映画製作が始まるまでの展開が冗長な気もしないでもないけど、そういう事をチマチマ言い出したら、この映画は全編ツッコミ所になってしまう。なぜなら、映画的なウソの塊だから。(笑)
映画的なウソの塊という意味では、SABU監督の「ポストマン・ブルース」とちょっとテイストの似た映画という感じもするけど、比較するとこっちの方がウソのレベルが相当高い。(笑)


そんなわけなので、もうこれは頭を空っぽにして観て、笑えば良い。大オススメだ。
ただし、血が苦手な人は止めた方が良いかもね。(笑)