沖田修一のいる場所

モリのいる場所 (http://mori-movie.com/)

シネ・リーブル池袋にて鑑賞。
で、


相変わらず沖田修一マジック凄い。


と言う感じ。
確かに、山崎努樹木希林も凄いのだけど、これまでの作品と同じく沖田修一監督が繰り出す「間の面白さ」は健在。凄く面白い。
しかし、これもまた相変わらずなのだけど、どう説明しても面白さが伝わらない感じ。この映画を要約すると「画家熊谷守一の晩年のとある一日」でしかない。これだと、たぶんEテレあたりで深夜に放送しそうなドキュメンタリーという感じしかしないのだけど、実際の映画はほぼコメディだ。いや部分的にはギャグ映画的ですらある。
ちょっと前にラジオで聞いた監督のインタビューでは「コメディだと思って作ってるんですけどねぇ」と苦笑していた。やっぱり、粗筋とか要約だけ聞いて本編を観ずにインタビューしている人なんかは、コメディである事が解らずに聞いてきたりするんだろうな。
でもって、まあこれもまた沖田監督映画ではいつもの事なのだけど、まあ終始クスクス笑いが止まらない。スクリーン上で起こる事の多くは日常で起こりそうな事ばかりなのだけど*1、その場面で微妙な食い違いというか登場人物各人の微妙な「誤差」みたいな物が笑いに繋がっていて面白い。たぶん、サラっと観れてしまう場面ばかりなので簡単そうに見えるのだけど、コレ、相当高度なテクニックだと思う。


で、この映画、ストーリーとかそう言うのは割とどうでも良いと思う。(笑)
ただ、ダラ〜っと観て日常の風景やら出来事やらを眺めてクスクス笑えれば、それで結構幸せな100分を過ごせる映画だと思う。むしろ、「高明な画家先生の高尚な生活」を見に行くつもりで見ると肩透かしを食らうかもしれん*2。…それはそれで面白そうだけど。(笑)


ともあれ、「沖田修一監督作品にハズレ無し」はまだ継続中。超オススメ。

*1:一部例外有り(苦笑)

*2:公式の予告編を観るとそんな感じに見えるんだよね…。(苦笑)