中田英寿 引退特番
全体的に中田マンセー風味。テレ朝の「世界を知る中田だけが判っていた」的な演出には呆れる。
中田の言い分も、選手としては非凡な才能を持っているのは判るんだが、*当事者*の中田が他人事のように喋ったら他の選手から見れば独善的で無責任に映るのも当然。中田に付き合い切れないと思う選手が出るのも判る気がする。
ディフェンスラインの位置に関する議論で、宮本の反論は放送していたが、中盤の底に一人で置いてけぼりになって一人で複数の相手攻撃陣の相手をする羽目になった福西にも反論させてやれよ、と思う。
中田本人も「自分の意見は理解されなくてもしょうがない」的な意識が強いように見える。それもまた他人からは「独善的」に映っちまう訳なんだけど。「理解されない自分」「孤高で孤立する自分」的な意識は高校時代*1からの癖というか人格として固定されてしまっているように見えるんだな*2。そんな意識が有る彼にとって、中心選手としてメンバーを率いてプレーするのは苦痛だったんじゃないかと思う。
放送中何度も「できなければ、始めからやる必要は無い」的な事を繰返し言っていた。この言葉で判ったのは中田英寿という選手が試合に勝っても負けても「全く楽しそうに見えない」理由だった。たぶん彼は頂点に立てなければプレーする意味が無いという所まで自分を追い詰めていたんだろう。だから幾つ試合に勝ってもまだ目的を達成していないし頂点に向かう過程でしかない。これでは楽しい訳は無い。これは苦行だ。それも無間地獄と言っても良いかもしれない。「プロだから頂点を目指すのは当然」と言うかも知れないが、世界のサッカーファンが見たいのは苦行僧の修業の場ではないよ。楽しんでいる所を見せるのも、またプロの仕事だ。
直前に放送してたオールスターで心底サッカーを楽しんで笑っていた中澤、小野等の選手との対比に、なんとも言えない気分。
だれか言ってやれなかったのかね?「たかがサッカーじゃないか、楽しまなくてどうするんだ」って。
できれば、中田には浦和に(ジョホールバルで決勝ゴールを決めた)岡野のプレーを見に来て欲しい。私はここ数年の岡野ほど楽しそうにサッカーをするJリーガーを知らない。スタメンでプレーできなくても、ベンチに入らない日があっても、ここ一番でピッチに立ってプレーする時の楽しそうな彼の顔を観て欲しいね。
