トイガン

[ニュース] エアガンでいろいろ(id:vjscop:20050929:1127975389)

まあ、vjscop氏に限らず普通の人にはモデルガンの種類なんぞ判らんだろうなぁ…と思ったので、ちょっと解説。
ニュースだけ見てると、完全に野放し状態に見えるよなぁ。法規制とか業界の自主規制とか結構あるのに、その辺を説明しないでニュースにするのは何とかならないもんかな…。

まず玩具の銃の大まかな分類

  • トイガン(玩具の銃全般。報道ではコレ全体をモデルガンとか言われたりもする。)
    1. モデルガン(内部構造を実銃に近く作ってあるが弾は発射出来ないモノ。玩具用火薬でパンパン鳴らしたり、火薬の圧力を利用して本物みたいにブローバックさせたりもする*1。)
    2. エアーソフトガン(空気圧でプラスチックの弾を発射するモノ。)
      • エアー式(ピストンで空気を圧縮して弾を発射するモノ。)
        • コッキングエアー式(手動でスプリングを圧縮してピストン内に空気を充填させて、空気圧で弾を発射するモノ。)
        • 電動エアー式(モーターの力でスプリングを圧縮してピストン内に空気を充填させて、空気圧で弾を発射するモノ。)
      • ガス式(フロン*2等のガスの圧力で弾を発射するモノ。)
    3. その他(銀玉鉄砲や紙巻火薬銃などの駄菓子屋的玩具、鉄砲型のライター等も広い意味ではトイガンになる。)

で、法規制ですがモデルガン(上記1.)の規制は以下のページに詳しいです。

読んでもらえば判ると思うけど、色、材質、構造等、かなり規制が厳しいです*3

エアーソフトガン(上記2.)に関しても、ほぼ同様の規制があるかと思いきや、エアーソフトガンの場合は撃発機構*4を持たない(=実銃への改造が困難?)という理由から規制が緩く、実質的に業界の自主規制に任せられています。
実際にちょっと前までモデルガンでは禁忌だった黒色で全金属製で銃身筒抜けの拳銃型エアーソフトガンがカスタムショップで売られていました。業界に長く居るメーカーは規制の怖さを知っているので、全金属製の拳銃型は作っていませんでしたが、一部のカスタムショップは平気で売っていたという事です。

で、なぜ全金属製が許されていたとか、規制が緩いかと言うとエアーソフトガンは銃の形をしたガス/エアーボンベ(withバルブ)でしかないという解釈が有ったようです。*5
しかし、警察の解釈による銃砲と玩具の線引きは「殺傷能力の有無」になっているので、ガス圧を高めて金属製の弾を発射できるようにすれば銃砲所持免許が必要な空気銃と同類とされるので。不法所持、不法製造していれば当然処罰されます。
一応業界の自主規制として一定以上のパワーが出ないように、高圧ガスを流したりスプリング圧を強くすると銃自体が壊れるように作ってあるわけですが、壊れる部分を鉄等で作ったパーツを闇で売っている連中も居るようです。

過去の玩具銃の規制は「実銃への改造を防止する」という目的が多かったんだけど、改造エアガンによる犯罪が増えてるから、エアーソフトガンのパワー強化を防止するという方向へ変わってくるでしょう。今のところは法整備が出来ていないので、警察の裁量で逮捕したりしなかったりというグレーゾーンが有って非常に判り辛いですし。まあ警察にとってはグレーゾーンが有った方が別件逮捕とかがしやすいというのは有るでしょうけど(苦笑)。

ちなみに、私個人の趣味から言えば、壊れない頑丈なモデルガンなら欲しいけど実銃は欲しくないです(笑)。というか弾なんか出なくて良いです。弾が出たら室内では使えないし、第一危険だ(笑)。

*1:これも密閉式カートリッジを使って極限まで火薬の力を引き出さないとちゃんと動かない。

*2:最近はオゾン層を壊さないフロンに切り替わっている

*3:実際、この材質の規制の為、モデルガンは良く壊れます。壊れることを見越して交換用パーツを買っておかないといけないくらい。とても実弾なんて撃てません。撃ったらモデルガンが爆発して指が飛ぶでしょう(笑)。

*4:ハンマーで弾丸(カートリッジ)のケツ、つまり雷管(プライマー)を叩く構造

*5:たしかに構造的にはその通りなんだが…。