猫とツンデレ人大会(?)

先生と迷い猫 (http://www.sensei-neko.com)

ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。
で、


自由に生きる野良猫とそれを取り巻く人の「ゆるい」話…なのだが…


と言う感じ。
実際、相当にゆるい感じのシーンが有ったり、ゆるい感じの笑いが漏れたりするような映画なのだけど、そこに描かれる物語のバックボーンは決してファンタジーではない「現実」そのものであったりする。曰く、妻に先立たれた男の孤独であったり児童の孤立であったり保健所における犬猫の問題であってり老いと介護であったり…。
けど、それをあまり深刻に行きすぎずに、「現実は現実としての問題もあるけど日常にはちょっと愉快な事もあるよ」というメッセージも感じる。
そして、物語中盤以降には、ちょっとばかし不穏な空気も醸し出している。ネタバレになるのでラストは言わないが、ちょっと色んな解釈な成り立つ不思議なと言うか、悪い言い方をすると観客に丸投げしたラストに見える。その丸投げされた解釈の中には平和な結末も有れば不穏かつ不吉な解釈も有りうるという感じ。(謎)
割とソコは鑑賞後に色々と考えてしまう。うーむ。


というストーリーとは別に、主役(?)の猫とイッセー尾形の演技が素晴らしい。この一匹と一人の才能とキャラクターが無ければ、この微妙な話は全く成立しなかった感すら有る。


ともあれ、単純な猫ファンタジーを期待すると思いの外リアルな現実を突きつけられるので面食らうかもしれんけど、全体的にはゆるい感じの映画として観られる作品だと思う。割とオススメ。