ペタル ダンス (http://www.petaldance.jp)
シネクイントにて鑑賞。
で、
おおお、なんかリアリズムなアレで面白い。*1
ストーリーとしては、自殺未遂をした女性、そして彼女に会いに行く二人の女性と成り行きでそれに付き合う事になった女性のロードムービー、と言った感じ。なので、当然の様に生と死を考えざるを得なくなるのだけど、そんな簡単に答えなぞ出る訳もないので、4人の主人公達はそれぞれ色んな思いを抱えながらそれが言葉にならないと言うもどかしい感じも有る。
自殺未遂という衝撃的な事件が背景に有りながら映画内ではさほど物語的な起伏も無く淡々と進み、終わる。この淡々とした感じは結構好みが分れるかも。私は割と好きなタイプではあるけど。
で、各シーンも過剰なくらいに長回しのカットが多くて、4人の主人公達はすごく追いつめられて素が出る感じの芝居になって、最終的にはドキュメンタリーっぽい感じになってる。曰く、宮崎あおいは宮崎あおいが言いそうな事を言い、安藤サクラは安藤サクラが言いそうな事を言い、忽那汐里は忽那汐里っぽい仕草で黙り込んだりする。たぶん、脚本も役者に合わせて当て書きであろうと思う。
面白いっちゃ面白いけど劇映画としてどうなんだ? という意見もあるとは思うけど、これもまた私個人としてはとても楽しめた。観た後に「安藤サクラって言葉キツイけど良い奴だよね」とか「宮崎あおいってニコニコしながら結構直球で物を言うよね」みたいな事を言いたくなる感じ。
それと、役者さんを追いつめて喋らせたアドリブっぽい感じの台詞が多いのに対して、複数の人が映るシーンでは徹底して立ち位置に拘っているのが見て取れる。各シーンでそれぞれの人の立ち位置で心理的な距離感が分る様になってて、とても巧い感じ。下手な台詞より役者さんの立ち位置の方が多くを物語っているように見える面白い作り。
石川寛監督作品って、たぶん初めて観たのだけど、この人ってこう言うのが好みなのかな?
ともあれ、淡々としたドキュメンタリーっぽい映画が好きな人には割とオススメ。やはり内容的に女性の方が共感度高いかもね。
*1:アレってなんだ?(笑)