そこに居ない桐島

桐島、部活やめるってよ (http://kirishima-movie.com/)

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
例によって原作は読んでいない。
で、


面白い。


けど、これって現役の高校生ぐらいの子が観たらあまりにリアルかつ切実で観てらんないんじゃないかしらん?
と思うくらいリアルに高校生の生活を描いていて、ちょっと感心。
表題の「桐島」は決して物語の中心ではない。というか中心はありそうで、無い。むしろ微妙なバランスを保っていた高校生達の人間関係が「桐島」の不在によって微妙にズレていって各人がほんの少しだけ変わる様子を描こうとした印象。
とは言え映画監督が映画として作っただけあって映画部は一番純粋で無垢(かつ子供)な感じに作ってる。映画部とあと吹奏楽部の純粋な感じはかつて文化系部活だった人達には一寸嬉しい感じに映る。
体育会系の部活やってる子はなんであんなに偉そうだったんだろうね? って今更ながら思い出した(苦笑)。
しかしまあ、私の通ってた高校はここまでクラス内のヒエラルキーはハッキリしてなかったなぁ。だいたいどの部活の皆趣味程度だった感が強かったし。この映画みたいな高校だったらかなり学校が嫌いになってたよ、きっと(苦笑)。
でも、この映画でリアル過ぎて嫌になってる子もいずれ卒業すると学校なんて小さな場所は世界の全てじゃなかったんだと気付くんだよね。(しみじみ)


あと映画の作りに関してもかなり丁寧な印象を受けた。登場人物も結構多くて人間関係も複雑な筈なんだけれども日常の細かいシーンを積み重ねて説明無しでも関係性がちゃんと理解できるようになってて非常に巧い。これだけ緻密に人間関係を描いているのだけど、上映時間は実質1時間40分くらいなんだよね。そう考えると凄く濃密に作ってあるのね。


ともあれ、今高校生の人はちょっとイタイかもしれないけど、かつて高校生だった人達には登場人物の誰かには共感出来ると思う*1。大オススメ。


この映画はもっとヒットしていい。

*1:誰もこいつの共感しねーよ。と思う人も出てくるけど(苦笑)。