コクリコ坂から (http://kokurikozaka.jp/)
ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
まあ、もう宣伝過剰なので内容については色々言うまい。
で、
なんで宮崎駿は自分で撮らなかったのかね?
いや本当にそう思う。わざわざ時代設定を変えたのを見ても、これって完全に宮崎駿&鈴木敏夫の二人にとっての妄想の中の「あったら良かった学生時代」でしょ。それをわざわざ倅の宮崎吾朗監督に撮らせるというのが判らん。監督にしたって、自分の父親の妄想の青春時代を「自分の作品」として作るなんて、普通に考えたら嫌な仕事だろう。*1
そうまでして自分で撮らない理由が良く判らん。いや、プロデューサーの鈴木敏夫的に言えばジブリの若手を育てたいという意図があるんだろうけど、御大の宮崎駿は自分の倅にそんな才能があるとは全然思ってないだろうし(笑)。
まあ、そんな背景はともかく、映画としては…普通だ…。(笑)
なんか昔の日活青春映画を彷彿とさせる世界観で、吉永小百合と浜田光夫が出てきそう(笑)。「そう言う時代を描いているんだからしかたない」という意見も有るかも知れないけど、日活青春映画のアレは実際の時代の空気とは結構乖離して日活独自の世界になってるんで、それを無理矢理真似する必要なんか全然無い筈。でも、そういう世界になっちゃってる感じ。なんでだ?
これもアレかな、駿&敏夫の「理想の青春」なのかな?
で、当事者たる監督の宮崎吾朗はその時代の空気にも「理想の青春」にも、全然拘りが無さそうで、割とシラケてる印象が強い。特に(これはネタバレとは違うので書いちゃうけど)エンドクレジットで「この物語は実際の人物、事象とは全く関係がありません」(多少文言が違ったかも)と表示されるんだけど、定番の文句に「全く」と付けてしまうあたりにも、監督がこの世界観に入り込めていない、というかむしろ世界観を否定したい感じがした。
まあ、そんな訳なので、個人的には「いやいやいやいや」と思うようなアレもあるんだけど、その細かいアレに目を瞑れば映画としてはそう悪くは無い。けど、さほど良くも無い。まあ、やっぱり普通。(笑)
で、これが宮崎駿だったら普通で陳腐なストーリーでも独特で魅力的な「動き」で中央突破しちゃうんだろうけど、それも無し。これは私的な偏見だと思うけど、アニメで「動き」の魅力が無いというのはそれだけで減点モノだと思う。*2
ともあれ、この映画は事前にNHKと日テレで放送されてたメイキング風の宮崎親子のドキュメンタリーを観た人なら、宮崎吾朗という監督(の作品)を生暖かく愛でるという意味でオススメ、かも。(笑)
でも、あのドキュメンタリーの方が面白かったのが大問題なんだが(笑)。