あの人のサーガ

トイレット (http://www.cinemacafe.net/official/toilet-movie/)

銀座テアトルシネマにて鑑賞。
まあ、ストーリーその他は公式サイトを参照の事。
と言っても、この手の映画を楽しむにはそれほどストーリーを意識する必要は無いのかも知れないけど。
最初に言っておくと、かもめ食堂以降の荻上監督の映画は批評ってあまり意味を成さない感じがする。つまり、その映画が好きか嫌いかだけしかない。それだけで充分という感じがするのだな。
で、私はというと、この映画は非常に好きなんである。
とまあ、そん感じなので観る人を選ぶ映画ではあるな。たぶん。
で、以下は完全に個人的な思い込みなのだけど…


この映画はもたいまさこ演じる「あの人のサーガ」の終着点という感じがする。
フィンランドで鞄を紛失しても全く動じなかったあの人。夏になるとフラっと南の島に現れてかき氷を作ってメルシー体操を踊るあの人。そしてこの映画の「ばーちゃん」。
ストーリー上でも、すべて同じ人であってもおかしく無い印象を受ける。*1それ程までにもたいまさこという人が演じる「あの人」の存在感が凄い。(もたいまさこ本人の素の雰囲気とは全く違った「あの人」という感じ)
で、前2作でも常に超然とした雰囲気を漂わせていたあの人は、この作品では更に超然としていって、最後には孫3人にとっての「神様」と言っても良いような存在にまで到達している。
荻上監督がそこまで考えて前2作を作ってきたかは判らないけど、3作全てを見た印象ではそうとしか見えない。


まあ、私個人の思い込みはともかく(苦笑)、静かで「心地よい退屈」が好きなひとにはオススメ。
そうそう、もたいまさこと「西の魔女」ことサチ・パーカーの2ショットがとても不思議な感じで良い。このシーンはもうちょっと長くても良かったな。


*1:バーバー吉野」のあの人はたぶん違う