マンザイシステム

Microsoft、2005年中に有料のアンチウイルス製品市場に参入 (http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/02/17/6495.html)

私的予測より随分遅れましたが、マイクロソフトのマンザイシステム化が進展してきたようです。


マンザイシステムを知らない貴方に*1、1997年に書いた駄文を(どうせリンクしても見ないだろうと思うので)転載しときます。

特別企画

「MS-AIDS'98」


(1997年11月30日)



1998年、コンピュータ業界で圧倒的なシェアを誇る一つの企業があった。

その名をマンザイシステムと言った。



マンザイシステムはコンピュータ業界でのオペレーティングシステム(以下OS)のシェア90%以上を誇り、その圧倒的なシェアを背景にして、自社のアプリケーションを売り込む事に成功していた。

つまり、

「オラオラ、ウチのOSを使うからには、ウチのアプリケーションを使わなきゃダメだよ!。他のメーカーのアプリケーションを買ったって、OSの次のバージョンアップでウチのアプリケーション以外は使えなくなんだかんね!」

といった具合であったから、他のアプリケーションメーカーの製品を買うユーザーは極端に少なくなり、多くのメーカーは廃業を余儀無くされた。



しかし、おごる平家は久しからず。

マンザイシステムの誇るOSにセキュリティホールが発見されたのだ。

マンザイシステムに怨みを持つ多くのクラッカー達(その多くは、廃業したアプリケーションメーカーの元社員であったと伝えられる)は、そのセキュリティホールを最大限に利用してシステムを破壊するウィルスを作成した。

マンザイシステムもただ手をこまねいているだけでは無かった。

すぐさま、セキュリティホールを塞ぐためのパッチを作成、配付したのだが、セキュリティホールを一つ塞ぐと、別のセキュリティホールが露呈するといった具合で、根本的な解決には至らなかった。

そんな事を繰り返しているうちに、マンザイシステムの開発部門では社員の50%を超える人間がセキュリティホールの対策に当てられるようになってしまい、本来多額の儲けを出すはずのアプリケーション開発がおろそかになってきたのだ。

「このままセキュリティホール対策に没頭していたら、儲けがゼロになってしまう!」

と危機感を抱いたマンザイシステム社CEOは、セキュリティホール対策の一大転換を計った。

セキュリティホールの対策を「MS-AntiHole'98」というソフトウェアを発売することによって行うと決定したのだ。(念のために書いておくと、MSはマンザイシステムの略である)

この決定はマンザイシステムにとっては功を奏した。

つまり、割れ鍋ととじ蓋の両方を販売しようという戦略だったからだ。

システム部門はセキュリティホールを気にせずにOSの開発を行い、アプリケーション部門はそのセキュリティホールを塞ぐソフト「MS-AntiHole」を作れば良かった。そして、その両方が儲けを生み出したのだ



そして、度重なるセキュリティホールの発見の度に「MS-AntiHole」はバージョンアップを繰り返した。

その結果、「MS-AntiHole」は OSのカーネル上でダイレクトに動作し、コンピュータ外部からの侵入は勿論、カーネル上で動作するOSのコンポーネントに潜むウィルスをも排除する事ができるようになった。



マンザイシステム社の日本法人の社長はこう語ったと言う、

『「MS-AntiHole」 の MSってのは「マジで凄い!」って意味にとってもらって結構ですよホホホ。』

・・・・(-_-;;;。



しかし、あるクラッカーは OS ではなく、AntiHole自体にセキュリティホールがあるのを発見した。

そして、マンザイシステムに怨みを持つ彼は、そのセキュリティホールを通して侵入するウィルスを作成し、ばらまいた。(そのクラッカーの正体については諸説あり、その実体は今もつかめていない)



そして破綻が訪れた。



ウィルスに感染された AntiHoleはコンピュータ内のデータやアプリケーションそのものをウィルスと判断して、片っ端から削除し始めたのだ。そして、システムファイルそのものも削除され、OS自体の起動も不可能な状態になっていった。

AntiHoleはカーネルレベルで動作しているので、カーネルが壊れるまでファイルの削除を続け、全てを消し去った。



まさに、コンピュータ内での自分自身を攻撃するアレルギー反応と言えた。



各所でのシステム破綻を知ったマンザイシステムでは

「え〜、この破綻に関しては悪質なクラッカーのせいであって、我々マンザイシステムのソフトウェアの欠陥ではありません。」

などと発表。さらに、

「このウィルスからシステムを守るには、MS-AntiHoleの機能を停止する事です」
と発表。



ここから先の展開は早かった。



AntiHoleという装甲を失ったマンザイシステムのOSは、すでに各所に広まっていた既知のウィルスに対しても全くの無力だったのだ。



まさに「免疫不全」であった。



これによってコンピュータシステムの破綻は決定的となり、貴重なデータの多くを消失したユーザーの多くはマンザイシステム社に損害賠償請求の訴訟をおこした。

訴訟が相次いだマンザイシステム社では、OSやアプリケーションの開発、アップデートの予算が確保できず、欠陥付きのOS は開発元から放置された状態となった。

結果、マンザイシステム社の OSを使うユーザーはほとんどいなくなり、今度はマンザイシステムが破綻することとなったのだ。



1999年になった今、マンザイシステム社に対する損害賠償訴訟の95%は現在も継続中である。



そして、1998年に AntiHole に感染したウィルスはMS-Allergy'98、その後のシステム破綻を MS-AIDS'98と呼んだと言う。(繰り返しになるが、MSはマンザイシステムの略である)



※)このストーリーはフィクションであり、実在する会社名、アプリケーション名等と一切関係ありません。また、このストーリーが実現してしまったとしても作者は一切知ったこっちゃ無いことを明記しておきます。

今更にして思うが、文章ヘタだな。(笑)
まあ、今も大して変わらんけど。


それはともかく、途中まではほぼ予想通りだな。と自画自賛*2

*1:そりゃ知らないよな(笑)

*2:誰も誉めてくれないので、自分で誉めます。エライ、俺!!