アンドロイドはビニールの子宮から生まれるか?

ブレードランナー2049 (http://www.bladerunner2049.jp/)

ユナイテッド・シネマ豊洲にて鑑賞。
で、


いろいろと思う所はあるが、それこそがブレードランナーなのでは?


とか思った。
まず、まあ長い。(笑)
2時間40分は、やはり長かった。そして、冗長なシーンが、まあ多い。けど、その冗長なシーンを手短に切ってしまうと、たぶん映画その物のペースはブレードランナーではなくなってしまう気がする。思い出してみれば前作のブレードランナーはエピソードの数も少なく話の展開もゆったりとしていて、短くしようと思えば、たぶん1時間くらいになるような映画だった。そして今回の2049は前作よりもエピソードというか展開が多いので、それを前作と同じペースで描くと確かに長くはなるな。とか思う。


それと、これは話の展開やらラストやらに関わる部分もあるのだけど、結構腑に落ちない、と言うか矛盾がある様に見えたり、ラストのアノ人がアレだとするとアノ人が気付いていないのはおかしくないか? とか色々と頭にクエスチョンマークが幾つも湧いて出る。けど、それもまた前作と同じだよな。とも思う。前作では幾多のシネフィル的な人達によってブレードランナーの「物語」を深読みしてきたかを考えると、今回もまあ深読みされるんだろうなぁ、と思う。


あと、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はかなり前作を研究してこの続編の「お話」を作り出したんだな。これを観てから前作を見返すとレイチェルの存在や登場の意味が完全に変わってしまっているのに気付くと思う。そのレイチェルという存在の大転換こそこの映画のキモという気もする。
にしても、映画内でレイチェル(らしき何か)が登場するシーンは前作を知っていると悲しい。ついでに主人公のブレードランナー'K'の存在も結構悲しい。うーむ。


あ、そうそう、この映画、やっぱり前作は観ておかないと、多分最も重要な部分が半分位しか分からないと思う。映画そのものは長いけど、前作ではどうだったかの説明は殆ど無いのでそこは覚悟しておく必要が有るかも。


ともあれ、まあ前作を観たことのある人には必見の映画。と言うか観ないと再び訪れるブレードランナー論争を全く楽しめないと思うので、断然オススメ。そして前作を観ていない人は、どのバージョンでも良いから一本観てから本作を観に行くことをオススメしたい。