老いたる霊長類の星へ…

ひそひそ星 (http://hisohisoboshi.jp/)



初訪問のシネマカリテにて鑑賞。
で、


良質のアートシネマ。けど、ちょっとズルい。


と言う感じ。
ストーリーとしては、古い日本家屋を模した宇宙船で女性型のアンドロイド(?)がいろんな星に荷物を宅配する。という、だけの話。
あとは、もう観た人が各自勝手に解釈して勝手に楽しんで!といった感じの映画なので、正直感想を書き辛い。と言うか、あまり書く気も無い。
ただ、


すごく良い映画ですよ。


と言うだけで良いと思う。
各星の描写やら、そこで出会う人やら、荷物の中身やらについて、色々と解釈が成り立つのかもしれないし、或いはなんの意味も無い*1かは、ほぼ何の説明も無く、完全に観客に投げ出されているので、こちらも襟を正して勝手に解釈すれば良いと思う。
なので、感想は無し。


だけど、ちょっとだけ思うのは。
園子温監督は、ちょっとズルい。と思う。
宇宙船の内部が昭和の日本家屋風であったり、宇宙船の操縦席の作りが学芸会的にチープな作りだったり、震災の被災地のロケーションを使って荒廃した星を表現したり、果ては出ずっぱりのアンドロイドの監督の奥さんである神楽坂恵を使ったりと、まあ予算を使わずに済ませ、なおかつ独特の味を出すために、相当工夫している。
のは、観ている時は「巧いやりかただなぁ」と思ったのだけど。


これって、情熱と時間は有るけどお金の無いアマチュアの学生とかが使う手法だよな。


とか思う。
いくら今回は完全自主制作とは言っても、世界の園子温監督がコレをやるのは、ちょっと反則じゃないのかな?
…うん。やっぱりちょっとズルいよな。(苦笑)


ともあれ、心地よい退屈と勝手な深読みを容認してくれる、ちょっと変わった映画なので、その手の映画がお好きな人には割とオススメ。

*1:という事は無いとは思うが