戦う普通の人

アイアムアヒーロー (http://www.iamahero-movie.com/)

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
例によって原作は読んでいない。(え?)
で、


凄い!


いや本当に。
正直、この手のゾンビ映画では、まあ潤沢な予算と経験の有るハリウッドには全然勝てんだろう、と思っていたのだけど、いやいやどうして、これはイケるかもしれない。と思った。
それもこれも、アメリカの真似ではなくて、日本ならではの日本らしいゾンビ映画になってる辺りは、ちょっと興味深い。
主人公は武器を持っていながら、終始人を撃つという事に躊躇する。それどころか、銃刀法等の法律を気にしてたり、誰もいなくなったショッピングモールで革ジャンを試着して、値札を見て値段を気にしたりもする(値段も何も、店員は既に居ない)。
自主自立を旨として、どんなに凶悪な事件が起きようとも銃を持つ権利を手放さないアメリカとは根本的に違う日本らしい人を描いている。これはかなり興味深い。たぶん、アメリカ人だったら、すぐ撃つよな。とか思ってしまう。(たぶん偏見だろうけど)
まあ、なんだ、この主人公。決して強くは無い普通の人間なんだけど、緊迫した状況に置かれたら、普通に暮らす普通の日本人はこうなるかもしれない、と思わせる。私自身はちょっと気になる(?)のだけど、主人公の姓が「鈴木」というのも、そういう事なんだろうと思う。


それと、銃に関する描写、それも日本で銃を持つという事に関する描写がかなりリアル。私も以前興味が有って調べたのだけど、日本で実銃を持つって結構制約が多くて大変なのよ。で、それを(ほぼ)嘘を廃して描写しているのには好感が持てる。で、ずいぶんリアルに作ったプロップガンだなぁ。と思ったら、韓国で実銃を使って撮影しているのだとか。まあ、日本だと日本で所持できるショットガンであっても、撮影に使うのは不可能に近いからなぁ。とか思った。
でもって、その日本で合法的に持てる銃、それも一般的に競技用としてポピュラーな銃をゾンビとの戦闘にどう使うか、という部分に関しても結構リアルだった。競技用の散弾だと、一撃でノックアウトするには相当接近してから撃つ必要が有り、しかし二連銃だと2発毎に弾を込め直す必要があって…、という辺りで、リアルさと制約を利用した緊迫感が凄く良かった。


で、そんな事はともかく、まあゾンビさん達との戦闘が、まあ怖い。(苦笑)


それを体験するだけでも、この映画を観る意味が有りそう。
てか、観てる間は全く気にならないのだけど、観終わった後に思い返すと、結構矛盾点とか謎のままの部分が相当多かったりもするんだけど、それを補うというか気にならなくさせる怖い演出が非常に良かった。


ともあれ、ゴールデンウィークにいい感じの怖さとアクションを堪能するのであれが、この映画を観れば良いと思う。オススメ。