古き良き?角川映画

セーラー服と機関銃 -卒業- (http://sk-movie.jp/)

角川映画40周年記念作品という事で角川シネマ新宿にて鑑賞。
で、


ああ、角川映画だなぁ。


と言う感じ。
まあ、この映画、良くも悪くも予告編詐欺。(苦笑)
予告編程には明るくも無いし、爽快感も、ほぼ無い。むしろ、シリアスで暗い話が殆どで、数カ所だけコミカルな描写も有るけど、それは笑いを呼ぶと言うよりは、登場人物がおどける事によって、より状況のシリアスな面を強調する様になってる。
でもって、ラストのとある演出を観ると「ああ、良くも悪くも*角川映画*だったんだな」とか思う様になってる。ここでは詳細は書かないけど、まあ観れば分かると思う。


個人的に良いなと思ったのは長谷川博己安藤政信が向かい合って凄むような場面。やっぱり、この位の技量と存在感を持った人が真剣に向き合うと、ちょっと画面が締まって面白い。
で、肝心の主演の橋本環奈は、初主演でここまで出来れば充分過ぎるだろう、という感じで、個人的には割と好印象。
一部で「女子高生なのに堂に入りすぎ。全然ビビってない」とか言ってる人がいるみたいだけど、そう言う人はこの映画が時系列的に「セーラー服と機関銃」の続編であって、元組長の星泉サブマシンガンを抱えて殴り込みに行った経験の有る少女である、というのを忘れていると思う。そこまでの経験をしたら、いくら女子高生でも肝が座る。だから、そういう演技をしていても全く間違いじゃ無いと思う。


ただ、出演者達はかなり頑張っていて好印象なのだけど、どうにもストーリー展開やら脚本やら演出やらに相当難が有るのは否めない。やっぱり登場人物の行動原理というか理屈がちょっと判らなかったり、判ったとしても、もっと良い方法が有るのでは? と思う部分が、ちょっと多い。(苦笑)
出演者達が頑張っているだけに、その辺が気になってしょうがなかった。


と、色々書いたけど、結果的には最後まで結構注目して時間を忘れて見入ったのは確かなので、そこそこ面白い映画にはなってると思う。と言う程度にはオススメ。

余談

噂通り劇場はけっこうガラガラだった。定員300名くらいの場内に客はせいぜい30人位だった。
休日の昼にこの入りだと、確かに興行的には辛いと思うんだけど、個人的にはそこまで悪い映画だとは思わなかった。先日観た「血まみれスケバンチェーンソー」に比べたら、遥かにちゃんとした映画だと思う。(そんなんと比べてくれるな、という意見もあろうが)
と言うか、本編を観ずに興行成績だけを論ずるのは、ちょっと意味が判らない。映画ファンなら興行成績よりも映画本編を観るべきだと思う。*1

*1:この映画より酷いのに、コケてないどころか、むしろ興行的にはヒットしてる映画が結構有る不思議。テレビ局と組んで朝から晩まで出演者が出突っ張りになるだけでヒットしてしまうんだから、客が舐められるのも無理は無いのかもしれん。