歴史は繰り返す?

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 (http://patlabor-nextgeneration.com/movie/)

ユナイテッドシネマ豊洲にて観賞。
で、


パトレイバー 2 the Movie*1 の続編と言うより、焼き直し


という感じ。
一応はパト2の続編という形で話は進むのだけど、そこで起こる事件はほぼほぼパト2で起きた事件の再現。というのも、ストーリー自体、パト2の事件に倣って「もういちど事を起こす」という話なので、まあ同じ様な事が起こる必然は、有るには有る。
なので、当然の様にパト2と同じような展開だけでなく、同じような押井守的問答も続いたりするので、これはもう本当にパト2パトレイバーが受け入れられる人でないと全く評価しない映画になる感じ。一部で賛否両論になるというのも納得。だって押井レイバーが駄目な人はずーっと前から居たし、押井レイバー好きの人もずーっと居た。それは今でも変わらないと言うのを再確認。


でもって、それを踏まえた上でじっくり観ると、やっぱりこのパトレイバーの根本的な設定が作劇上テロを描き辛いというのをまた再確認してしまった。
曰く、全くもって捜査権が無い。つまり事の核心に迫る権限は元から無い警備部の所属と言うこと。
曰く、そもそも制度的に日本の警察は絶対にテロに勝てないと言うこと。日本では事を起こしていない人を逮捕する事が出来ないし、事を起こされた時点で既にテロに負けてしまっている。
以前からパトレイバーのシリーズでは前者は「特車2課の伝統である超法規的活動」という映画的な手法でクリアしていたけど、後者はパト2では完全に負け試合として描いている。この映画ではパト2での後日談として警察上層部から特車2課までひっくり返った事が示唆されていたりもする。
てか、これはパトレイバーの設定の問題と言うよりも日本でテロを描く問題点か。
と言うような事も押井監督の狙いっぽい気がするので、こうやって逡巡するのも監督の思惑通りなのかもしれんけどね。


で、映画としてはまあそれなりにツッコミ所も有るには有るんだけど、やっぱりイングラムと最新戦闘ヘリとの攻防は上がるモノが有る。さらに、陸上自衛隊航空自衛隊がかなり大々的に協力している事もあって、AH-1戦闘ヘリとF-2戦闘機の飛行シーンが大々的にフィーチャーされていて、そっち系のファンには嬉しい。と言うか私が嬉しい(笑)。きっと押井監督も嬉しかったに違いない。(断言)


てなわけで、基本的にパト2のファンにはかなりオススメ。それとミリタリーマニア的には(心の中で)ツッコミを入れながら観るのがオススメ。

*1:以下、パト2