龍三と七人の子分たち (http://www.ryuzo7.jp/)
ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
で、
えらく時間と金をかけたヤクザコント
という感じで、割と面白い。
けど、大爆笑コメディという感じじゃなくて、要所々々でコント的な笑いは有るんだけど、全体としてはちょっと情けない感じのコメディという感じ。さらに、エンドロールの音楽は意図的にちょっと寂しくしてるので、やっぱりカラッと明るく終わるつもりも無いのだろう。
で、まあストーリーは予告編を観るとほぼ判ってしまうので解説は要らないと思う。
けど、予告編よりは、ちゃんと爺さんヤクザの駄目な部分、本当に嫌な部分もちゃんと描いてて、一方的に「爺ちゃんがんばれ」的なノリになる感じではない。むしろ、「爺さんも若い奴らもどうしようもねぇな、オイ」と言いたくなる感じなのだけど、それを爺さん達の愛嬌で逃げている感は無いでもない。これはちょっと引っかかる人は引っかかるかも。
で、まあほぼコントなのでリアリティ云々を言うのはアレなんだけど、まあ殴り込み(?)のシーンは色々とツッコミ所が多すぎる。と思ってたんだけど、これはアレだ、落語の「駱駝」だ。そう思うと「まあ良いか」とか思う。(苦笑)
そうなると、むしろ敵対する半グレ企業のボスを演じる安田顕が真面目に悪役をやってるのが馬鹿らしくなる感じもする。
あと、ちょっと気になったのがカットのテンポがちょっと悪いというか遅い感じがしないでもない。北野武監督の初期作品(特に「3-4x10月」)みたいなザックリと残酷なまでに切り詰めた感じの編集はあまり観られない。個人的にはああいうのが好きなんだけど、最近の北野監督はあまりそういうのは好みじゃなくなったのかな。*1そういう意味では、ちと寂しい。
ともあれ、あまり深く考えず、でも登場する半グレ企業の手口は割とリアルなのでそこは注視して観る分にはオススメ。かも。(笑)
*1:ちなみに、監督本人は編集作業が好きな事は色んなインタビューでも語っている。
