明日に向かって歌え!

味園ユニバース (http://misono.gaga.ne.jp/)

ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞。
で、


ポチ男役(?)の渋谷すばるが凄い。


お世辞ではなく、本当にそう思う。
いや、確かに二階堂ふみも芸達者で凄く巧いし、山下敦弘監督の演出による所も大きいんだろうけど、主演の渋谷すばるの存在感、演技、歌、どれも凄い。
ジャニーズらしからぬゴツゴツした固そうな顔に、記憶を失った時の朴訥とした表情、声、そして過去を思い出した後のキレた演技と表情、そしてまた声。まあ、どれもエライこと巧い。凄い。
そして、何よりも彼が最初に歌うシーンが凄い。これは歌い出す瞬間の発声に絶対の説得力が無いと以降の話が全く成立しない位の重要なシーンなのだけど、それをアカペラで完璧に歌いきっている。凄い。と言うか、もうこのシーンだけで、この映画は成功だろうと思わせる。
そして、この映画、山下敦弘監督の出世作(だと思う)のリンダ リンダ リンダと全体の構成がちょっと似てる感じがする。いや、ストーリーは全く違うんだけど、終わってみると、ああちょっと似てる。と言う感じ。
ちとネタバレ臭いけど、最後のステージのシーンは凄く良いので、ここも割と見どころ。まあ渋谷すばるの表情に注目して観ましょう。
で、この映画のちょっとした難点、と言う程でも無いのだけど、最後のポチ男が「仕事」に向かってそこで○○される場面の意味付けがちょっと判り辛かった。たぶん「社長」とグルと言うか既に話がついていたと言う事だと思うんだけど、その辺を示唆するシーンが無いので、最初ちょっと面食らう感じがした。(謎)
それと、これはどうでも良い事だけど、二階堂ふみはセーラー服のコスプレが絶望的に似合わない(笑)。いや、たぶんわざと似合わない様に着こなしているんだと思うけど。


ともあれ、映画全体が非常に心地よくて気分良く終われる快作だと思う。オススメ。