痛かった。

百円の恋 (http://100yen-koi.jp/)

テアトル新宿にて鑑賞。
で、


安藤サクラ凄い! この映画凄い!


個人的に大当たりの少なかった、というかあまり大当たりを引けなかった2014年も最後になっって、凄い映画に会えて良かった。
そんな感じ。
ストーリー的には、予告編を観れば粗方判るように、引きこもりのニートの女性がいろいろあって(笑)ボクシングのリングに上がる。という「だけ」の話。
けど、そこで描かれる安藤サクラ演じる一子が「変わっていく」描写がとんでもなくリアルで、そして大きな迫力があって面白い。
そして、その一子の変化を映画的なファンタジー要素を殆ど廃して、ただひたすら現実的かつハードに描いていくのだけれど、それがまた凄く良い。ハードで嫌な話だけど、それが良い!(笑)


でもって、肝心のボクシング描写もこれまたリアル、というか殆ど本物に見える出来。安藤サクラはこのままリングに上がれるんじゃないかという位だし、トレーナーの人は本物だし(え?)、ジムの会長の仕草や物言いも、まあリアルで「有りそう」な感じ。そして、試合に至る過程も、選手層が薄い事による難しさが有るにも関わらず突然決まったり(?)と、これもまた良くある感じ。
これだけ、ボクシング、というか日本のボクシングをリアルに描いている映画もあまり無かったんじゃないかと思う。この映画によって、映画でボクシングを描く事のリアリティ・ラインというか制作側のハードルがかなり上がっ
た様にも思える。


でも、やっぱりこの映画は安藤サクラの凄さ。これに尽きる様に思える。
顔だけでも序盤からどんどん変わっていくし、体つきも身のこなしも物言いもどんどん変わっていく。その過程が本当に一子の実在感になっていて、演技というより、そこで一子が生きている様に見える。


けど、ここまでリアルとか現実的とかハードとか書いてるけど、ちゃんと娯楽映画としても成立しているのが、また結構凄い事。ぶっちゃけネットで言われる「底辺」に近い世界もちょこっと描かれてはいるのだけど、そこはリアルに描きながらも、ちゃんと笑える様に出来ていたりして、凄く巧い。


と言う訳なので、個人的には大オススメで御座います。観ろ!(笑)


…けど、私が観た回は既に満席だった*1。たぶん結構ヒットしますよ。きっと。うん。

*1:テアトル新宿での満席経験は「南極料理人」以来かも。