ヒップホップな実験

TOKYO TRIBE (http://tokyotribe-movie.com/)

ちょっと遅蒔きながらユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
で、

これはエラくお金をかけた実験映画にして、馬鹿映画なのでは?


という感じ。(褒めてます)
園子温監督は前作の「地獄でなぜ悪い」でやりたい放題やって、もう飽きたと思ってたのだけど、この映画を観る限り全然飽きてない。というか、より昂進して「もっともっと!」状態になっている感じ。(笑)
で、現役で本物のラッパーを大量動員して台詞回しもラップにするなって挑戦をして、さらにやりたい放題状態なのだけど、この映画部分部分によって、結構他の映画を思い出す感じ。これは「地獄でなぜ悪い」の「見た事ない映画感」とはちょっと違う。
具体的に言うと、スワロウテイルだったりストリート・オブ・ファイヤーだったり、アレだったり、コレだったりetc...。という感じ。
なんとなく、ラップ台詞はその「どっかで見た感」を薄める効果を出してるのかもしれん。

そのラップ台詞とか本物ラッパーを使うとかいう、ちょっとオシャレと言うか格好良い感じの実験映画っぽく作ってあるのだけど、ストーリーやらアクションやらの馬鹿映画感がとてつもなく高いので、結果として、


園子温監督が好き勝手やって、一回りして周囲を見回したら井口昇監督のすぐ隣にいた


という感じになってた。(笑)
うん。なんか相通じるモノが有ると思うよ。井口昇監督も好き勝手にやらせると良くも悪くもアレ(?)だし。(笑)
また、ストーリーも結構破綻寸前まで来てるので「明喩が隠喩が複線が」とか言うタイプの観方をすると、全然着いて行けない感じ。なので、その手の方からすると凄い駄作に見えるかも。(笑)
キャストに関しても全般的にやり過ぎ感多めで凄くクセが有る。と言うか、だれか竹内力を止めろ。(笑)
さらに、メラ役の鈴木亮平のテンションの上げ方も凄かった。相対する海(カイ)役のYOUNG DAISが一瞬素で噴き出してるシーンが有るくらいアレ。(笑)
それと、ヒロイン(だよな?)のスンミ役の清野菜名がとても格好良くて可愛いのだけど、ショートカットにして満島ひかりのコピーみたいになってる気になった。園監督はこういう女の子好きなのかな?(笑)


ともあれ、個人的には「地獄でなぜ悪い」の方が良かった気がするけど、より若い年齢層にはこっちの方が受けるかもね。割とオススメ。


そうそう、女の人はこの映画観てどう思うのかは、ちょっと気になる。
激怒して途中で退席しちゃう人がいるかもね。(笑)