ダラスの薬売り

ダラス・バイヤーズクラブ (http://www.finefilms.co.jp/dallas/)

遅蒔きながらヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。
で、


良い映画ではあるけれど…。


という感じ。
うん。まあ流石に良い映画。で、おまけに実話ベースなので批判し辛い(苦笑)。
映画としてのストーリーもしっかりしている。主人公を闇雲に「善人」にしないで、ちゃんと悪どい部分も描いているし、なによりも明確に同性愛者を差別してたりと、まあ実在の人間的な描き方もちゃんとしている。さらに、主人公が薬の服用で体調が好転したり悪化したりの表現がえらく上手い。序盤の額の傷だけ見てもちゃんと主人公の体調との関連をちゃんと表現出来てたりする。
しかし、これ本当に実話だと思うと、これ結構凄い。余命を宣告されてから独自に勉強して自分が助かる道を見つけるまでの理知的な活動が凄すぎる。なので、この映画の主演のマシュー・マコノヒーの演技だと、ちょっと南部の粗っぽいカウボーイ的に過ぎて、この理知的な部分との整合性がちょっと気にならないではない。けど、まあそれも些細な事という感じ。
でもって、命拾いした主人公が徐々に考えが変わってくるあたりも、映画として良くできている。


うむむ。
なんか結構褒めてるけど、なんか気になる映画でもある。
何か足らない感が拭えない。
強いていえば、恣意的に薬品の認可をしていたFDA側の描写が薄っぺらい悪人のそれになっている辺りか。
それもまあ、実際に良く解っていないというか、当事者がまだ普通にFDAに居たりしそうなので色々と問題が有るのかもしれない。その辺は実話ベースで作る映画特有問題なのかもしれんね。


ともあれ、個人的には何か足りない感が有る映画ではあるのだけど、普通に良い映画なので観て損はない。とは思う。まあまあオススメ。