いや、君は悪くない(謎)

ラヴレース (http://lovelace-movie.net/)

ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。
ちょっとした社会現象となった伝説的なハード・コア・ポルノ「ディープ・スロート」の主演女優、リンダ・ラヴレースの自叙伝をベースにした映画。
で、


想像以上に重い。


いや、本当に。
前半はリンダがチャック・トレイナーと結婚し、何故かポルノ女優としてデビュー。そして、ディープ・スロートが社会現象的な大ヒット。一躍ちょっとしたスターになったリンダの光の部分を描いている。この部分はポルノ女優という社会的立場にも関わらず、ちょっと爽快ですらある。
しかし、後半になると、前半で描かれたその瞬間に裏で起こって事や闇だった部分が明らかになっていく。実話ベースとは言え、後半に(悪い面の)種明かしが有って、映画としては一寸意地悪な作りではある。
とは言え、その裏で起こっていた部分は、ある種普遍的な「どの女性にも起こりうる不運」という感じで、西原理恵子の漫画に出てくる不幸な女性の話みたいだった。洋の東西を問わず「こういうクズ男って居るんだな」とか思わせる。
ただ、不運で不幸な生活を描きつつも後味がさほど悪くないのはリンダ・ラヴレースがその不運で不幸な人生から抜け出す事に成功したという事実と、ちょっと反則気味なくらい幼く可愛らしく撮られている主演のアマンダ・セイフライドの熱演のおかげだとは思う*1。実際のリンダ・ラヴレースは若い頃からかなり大人というか、ぶっちゃけちょっと老け顔だったから、ここまで同情を誘う感じでは無かったような気もする。
うん。外見だけ見ると本物のリンダ・ラヴレースって、ちょっと強そうな感じがする。ただ、その一見強そうな女性が実は…という部分が当時は衝撃であったのかもしれないけど。


そうそう。日本ではまともに公開されていないとは思うけど、問題の「ディープ・スロート」ってコメディなんだね。日本では伝説的なポルノ・ムービーと言うより、ウォーターゲート事件の密告者の仮名として有名になった感じで、内容を知ってる人って少なそうだよね。(まあ、本当は映画が先なんだけど)


ともあれ、一応R18指定ではあるのだけど、できれば若い女性に観てもらいたいとは思う。オススメ。

*1:うん、相変わらずアマンダ・セイフライドの目玉が良いよ。