彼女の秘密

陽だまりの彼女 (http://www.hidamari-movie.com/

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
で、


上野樹里という女優は職人みたいだな。


いや、ちとメタな感想で申し訳ないのだけど、そう思ってしまった。
原作を知ってる人には周知の事とは言え、この話の肝心な秘密の部分についてなので詳しく言うとネタバレになってしまうのだけど、この「秘密」の部分についての話。「秘密」の種明かしが終盤にあるんだけど、それが判るとそこまでの上野樹里の細かい演技、いや脚本に書かれている様な伏線ではなくて、目つきとか手の仕草とか文章化されていないであろう部分での演技まで、ちゃんと意味が有ったのが判る。これは、たぶんDVD等で繰り返し観るともっと良くわかるかもしれないけど、この芝居の作り込み方は結構凄い。
もちろん脚本で文章化されていそうな伏線もあるんだけど、それはちょっとわざとらしい感じはしないでもない。と言うか、ここまで演技してくれるのであれば、下手な伏線は無い方が良かったかもしれない。とまで思ってしまった。
で、まあ肝心の内容はラブストーリーなのだけど、割とファンタジー要素が強い感じ。でも、それもあまりベタベタな感じではないのでラブストーリーが苦手な人(私だ!)でも困らない感じ。それに、メインのストーリーとは別に、玉山鉄二大倉孝二谷村美月という芸達者な人達を使った「くすぐり」が結構有るので、ラブストーリー部分で息が詰まる事も無さげ。というか、特に谷村美月の出てるシーンは、個人的にかなり好き。「こーゆーノリ好きだわ〜」という感じ。(?)
逆に言うと、目一杯甘いラブストーリーが見たい人には、ちょっと物足りないかもしれん。
そんでもって、主人公二人の中学生時代を北村匠海葵わかなという人が演じているんだけど、これも巧い。本当に大人になった松本潤上野樹里に繋がる感じのする瞬間がちゃんと有る。特に葵わかなは確実に上野樹里に見える瞬間があって、これはちょっと驚いた。これも結構見所。
一寸だけ難点を言えば、種明かし以後の話がちょっと冗長で、あからさまに泣かせに行ってる感じがするのが気にならないでも無いのだけど、まあ出演者達の熱演の前には些末な事かもしれん。


ともあれ、出演陣が非常に良さげなので、ラブストーリーが苦手でも一寸オススメしておきたい。