現人神のいない八月(?)

終戦のエンペラー (http://www.emperor-movie.jp)

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
で、


うーん、ドキュメンタリーにした方が良かったかも。


と言う感じ。
いや、映画として面白くない訳ではないのだけど、あからさまにハリウッド・メソッド的な脚色が結構鼻に付くのね。
原作を読んだ人達から総攻撃されてるであろう「ラブロマンス」的な部分だけじゃなくて、ステロタイプ的な日本人描写も気になる。
ただ、このテーマだとそう言う脚色無しでは米国で映画化の企画が通らなかったであろう事も、ちょっと判る。
ぶっちゃけ、何度も何度も空襲による焼け野原を見せてアメリカが日本に何をしたのかを見せたり、日本の植民地政策は欧米諸国を手本にしただけという言説が出てきたりする辺りは、米国人にとっちゃ気分の悪いシーンだろうし。
それでも、この原作だったらハリウッド的な脚色無しでドキュメンタリータッチにして淡々と映画化してほしかった感じ。てか、劇映画じゃなくてモロにドキュメンタリーでも良かったな。
主人公のマシュー・フォックス演じるフェラーズ准将もちょっとハリウッド的な理想的で善良な米国人という感じであまり実在感が無い。てか実在の人物なのにフィクションに見えちゃってる。それと、准将とは言え将官にしては若すぎないかな?
トミー・リー・ジョーンズ演じるマッカーサーは割と良い感じ。顔は全然似てないんだけど、立ち居振る舞いや言動やちょっと俗物っぽい辺りは人間的で実在感があって「マッカーサーってこんな感じだったかも」と思わせる演技で良かった。
それ以外でも、やっぱり架空の人物はやっぱり架空の人物にしか見えなくて、実在の人物はそれなりに実在感がある。その区別が観てて判っちゃうのは劇映画として、ちょっと問題かもね。


ともあれ、終戦時の昭和天皇の処遇についての紆余曲折を映像で見たい人には割とオススメ。