歴史風娯楽映画

天地明察 (http://www.tenchi-meisatsu.jp/)

遅まきながらシネ・リーブル池袋にて鑑賞。
で、


いやあ、良くできた話だなぁ。


と言う感じ。
どこまで史実に忠実なのかは知らんけど…、と思ってたらエンドロール後に原作や史実を脚色してる旨のメッセージ。気になってちょっと調べると、まあ随分と違う感じ(苦笑)。
とは言え、序盤に道策との対決や不意の日食を持ってきたり、改暦の前に全国で北極星の観測をしていたり、算哲と関孝和がお互いを意識しながら簡単に会わなかったり、と後の伏線となりそうな部分を前もって出しておく感じで、作劇としての脚色が巧い。
ただし、改暦反対派の描き方はステレオタイプの悪役という感じで、ちと陳腐に見えちゃう。江戸時代初期にここまで公家勢力が強かったかなぁ? という気もするし*1、仮にそこまで公家の力が強かったら終盤に町人に混じって京の町に現れる演出は馴染まない気がする。この辺はちょっと世界感がブレてる感じ。
あと、ブレてると言えば台詞回しが江戸のソレである部分とモロに現代劇な部分が混じってるのも気になった。
とは言え、お話として良くできているので、まあその辺は気にしないでいれば気にならないレベルではある。


キャストに関しては、まあ宮崎あおいが反則的に可愛い(笑)。それも、話の印象を変えかねないレベルなので、ちょっと気にならない事も無い。曰く「あんな可愛い奥さんが居るなら、多少失敗してもいいじゃん」と言う感じ。それじゃ話が変わっちゃうんだけど。(苦笑)
それと、中井貴一が演じた水戸光圀のキャラクターは面白い。史実では例の漫遊記的な好々爺では無くて、相当に気性が荒い、ちょっと厄介な人であったらしいのだけど、この映画ではその辺りが表現されていて面白い。


ともあれ、映画として綺麗に纏まっていてちょっと長めの上映時間も気にならない。時代考証等は深く考えずに娯楽作品として楽しむのがオススメ。

*1:戦国時代に公家の力は殆ど削がれている気がするんだよね。