台詞無しでも

キツツキと雨 (http://kitsutsuki-rain.jp/)

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
南極料理人」でちょっとした話題になった沖田修一監督の新作。
で、


しみじみ面白い。


南極料理人はまぐれじゃなかったんだなぁ。いやー良かった。
元になるネタのパワーは確かに南極よりは弱くなっているのは否めないけれども、それでもやっぱり沖田監督らしい「喋らせない演出」が冴えてる。
とにかく説明台詞は全く無い。直接的な心情の表現も全く無い。表面だけ追っていくと、とても静かな映画の様にも見える。
にもかかわらず、何が展開されているかちゃんと判るし、登場人物の心情も判る。言葉で説明しなくてもちゃんと観ている人には判るようになってる。
映画って本来はこういう物だよなぁ。と気付かされる感じ。
「日本映画はなんでも台詞で説明しすぎる」と言ってる人に観てもらいたい。こういう日本映画もあるんだよ。
で、役者陣もまた良かった。
助監督をやってた古舘寛治という人はどんな役をやっても「いかにも居そうな人」になるんだなぁ。そりゃ沖田監督じゃなくても使うよな。
で、問題の監督役の小栗旬。…よくこの役を受けたなぁ。彼は自分でも「シュアリー・サムデイ」の監督をやってて、お世辞にも成功したと言えない出来だった。で、この役をやるって、まんま本人役だよなぁ(苦笑)。この役をやった事によって、小栗旬が監督として化けるかも…という妄想をしたくもなる。もう監督はやんないかもしれないけど。
主演の役所広司については特になし(笑)。あいかわらず役所広司で何やらせても上手くこなす器用な人だし。そう言えば、この人も監督経験者だったな。*1


という訳なので、南極料理人を面白く観れた人には大オススメ。そうでない人にもオススメ。
ただし、説明台詞無しだと話が判らなくなったり退屈に思う人にはオススメ出来ない(苦笑)。

*1:ガマの油」のヒロインだった二階堂ふみはいつの間にか世界的な人になっちゃったな。