住田と茶沢と、そして夜野の話

ヒミズ (http://himizu.gaga.ne.jp/)

ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。
原作は読んでいない。
で、


良い映画だなぁ。


序盤からリアルで嫌な感じの暴力描写が多いので途中までは気分が悪くなる感じなのだけど、最後にはその暴力的な部分を全否定する訳でも無く、さらにドラスティックな転換が有る訳でも無いのだけど、ちゃんと後味が良くなるように終わる。素晴らしい。
うーん、良かった部分をもっと書きたいのだけど、これは何も知らずに観た方が良いなぁ。と言う訳で、あまり書かない。良いから観なさい(笑)。
ちょっとだけ言うと、「夜野」を演じる渡辺哲が凄く良い。いや渡辺哲さんだけじゃなくて、主演二人の脇を固める役者達が皆凄く良い。ベネチアで主演の二人が賞を撮ったのも、この役者達のおかげと言う部分も結構あるんだろう。あと、その力を引き出す園子温監督の手腕も。
震災後に大きくストーリーを変えたと言う話だけど、その部分はさほど違和感なし。と言うか、最初からこの設定で撮ったと言われても信じそうだ。でも、何度も何度も被災地の映像を流すのは、ちょっとどうなんだろう? 映画の終盤になってから被災地の映像が流れ出すと、いい加減ちょっとクドイ感じになってた。
あと、ちょっとだけ気になったのは、住田の物語は良いのだけど、茶沢の物語はその後どうなったんだろう? というのがちょっと判らなかった。もしかすると、尺が長くなるから切っちゃったんだろうか? でも園子温作品としては短めなんだよね。はて?


ともあれ、原作を知っている人は違和感が有るらしいけど、この映画単体で観た場合は間違いなく傑作だと思う。大オススメ。