医師と人を送る

神様のカルテ (http://www.kamisamanokarute-movie.jp/)

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
例によって原作は読んでいない。


予想外に面白い。


予想外は失礼か。でも、まあ予想外。
所謂医療ドラマかと思って観たのだけど、医療ドラマと言うよりは、医師のドラマという感じ。
最初こそ、「文学」で喋る医者とその妻の描写には違和感はあったけれども、最終的には「こんな人もいそうだな」という所までもって来ていた。いや、やっぱりこんな人は居ないだろうけど(苦笑)。他は割と普通の人達という形で描いているので、これは原作通りなのか、あるいは意図的なんだろうなぁ。
テーマ的にも、医師はどう生きるかと医師はどう人を送るのかという辺り。でもまあ、この映画のように幸せに送られると言うのはそうそう無いような気もするが…って、その辺りはやはりファンタジーなのかな。
それと、今どきの医療ドラマに有りがちな先端医療を単純に悪者にすると部分も無し。先端医療も地域医療もフラットな視線で描いているのには好感がもてた。
主演の櫻井翔は思ったよりもちゃんと(変わり者の)医者になってた。まあ、あまり感情を露にしない芝居なので演技力は殆ど解らんのだけど。妻の宮崎あおいと看護師の池脇千鶴の芝居はもう当たり前的な安定感。回数は少ないけど、この二人が顔をそろえる場面の(直接的には語られていない)微妙な関係感が面白い。この辺の関係性は原作に書いて有るのかな?
一つ気になったのは、ドラマの私生活部分の舞台であるところの御嶽旅館は誰の所有なんだろ? という所。「男爵」の実家で、主人公夫妻が寄宿しているという感じで合ってるのかな?


ともあれ、普通の「良い話」に落とし込まない感じが心地よかった。割とオススメ。


P.S.
しかし宮崎あおいオリンパスを構えてるとCMにしか見えないのはちょっとした難点。(笑)