アレはアレで良いのか?

日輪の遺産 (http://www.nichirin-movie.jp/)

シネ・リーブル池袋にて鑑賞。
例によって原作は読んでいない。
で、


なんか惜しい。


ある場面までは話も良くできてるし個々の人物描写も行動原理もちゃんとしてて、それなりに感情移入できるんだけど、ある場面以降の展開が納得いかなかった。
確かに、序盤の台詞でソレを示唆するような場面もあって「当時の日本人にとっての命の価値がどういう物か」とか、ある人物が当初の計画を知っていての行動である…と判らせるような演出はされているんだけれど、それを折り込んでも「そこでそういう行動するには動機が全然足りないんじゃない?」という感じの展開。
で、そのアレな展開以降は一気に話しにのめり込めなくなって、いろいろと荒が目立つようになってきた。
「いや、そこでアンタが行く意味が判んない」とか「そこまでの立場になれば記録が残るんじゃないの?」とか「いやいや、そのくらいでアレを諦めて○○するってどうよ?」とか「そもそも後日談が冗長じゃない?」とか、頭の中に疑問符がいっぱいになってしまった。いや残念。
途中までは全然気にならなかった部分すら、一旦気になりだすと一気にアレな感じになるんだな。


うーん、そのアレな展開の辺りは原作を読んでるとそれなりに納得できるんだろうか?
だとしたら、映画版として失敗しているって事になっちゃうんだが…。


ともあれ、終戦直前の日本の空気がどういう物であったか、という部分は結構ちゃんと描かれているので、その部分に関してはオススメ。
原作を読んだ人には…どうだろう? むしろ、原作を読んだ人がどう見たかを知りたい感じだな。