少女はいつもハダシ

モールス (http://morse-movie.com/)

TOHOシネマズ六本木にて鑑賞。
例によって原作は読んでいない。さらに「ぼくのエリ 200歳の少女」も観てなかったりする。*1とは言え、リメイク扱いされているけど映画化の企画としてはこっちが先で、いろいろトラブルがあって公開が後になったという、ちょっと不運な映画化だったらしい。まあ、後から公開されたら嫌でも比べられたり物真似扱いされたるするから、ちょっと可哀想ではある。
で、


評判通り良かった。


基本ホラーは苦手なのだけど*2、これは定番の吸血鬼話を下敷きにしたラブストーリーなのね。で、まあ主人公の少女と少年のラブストーリーではあるんだけど、それ以前に少女と一緒に暮らしていた初老の男とのラブストーリーでもあって、この二つが相似形になってたりする。なので、宣伝文句にあるような「衝撃のラスト」ではなくて、二人の着地点として必然としてのラストに見える。
しかしまあ、クロエ・グレース・モレッツの「幼い魔性」が凄い。ハリウッドでこういう幼さをちゃんと持ったままの少女っていたかなぁ? とか思う。「タクシードライバー」のジョディ・フォスターも「レオン」のナタリー・ポートマンも美少女ではあったけど、こういう幼さはどっかに置いてきた感じだったものな。*3
で、コディ・スミット=マクフィーの「幼さの残る美少年」も凄い。そりゃ「女の子」って呼ばれるよ。
この二人の好演もあって、話全体の構造としては単純なのだけど、面白く観れましたよ。
ちょっと思い出したのは、少年が始めて少女の本性を観てしまった所から、それを確認しに行くあたりの演出が「キャット・ピープル」(ナスターシャ・キンスキーの方)に似てるのね。物語の主題としても近い感じ。
一つだけ気になったのは、映画の原題でもある「Let Me In」のシーンなんだけど…このシーン要るかな? とか思ってしまった。そこだけ頭の中にクエスチョン・マークが出てしまった。根拠とかそーゆーの説明されてないよね? ちなみに「ぼくのエリ…」の時に話題、というか論争にまでなった例の要素は割とスルー。けど、そこは主題と関係無いから省いた…と思えばさほど気にならなかった。


ともあれ、「ぼくのエリ…」の方を観た人や原作を読んだ人がどう思うかはちょっと判らんけど、私個人は現代の吸血鬼物の傑作だと思いました。かなりオススメ。

*1:いや、いろいろとタイミングが悪くて観れなかったんである。

*2:怖いのがキライなんじゃなくて、驚かすだけのしかけとかが苦手。と言うか腹が立つ。

*3:まあ、クロエ・グレース・モレッツは日本人に好かれる種類の幼い顔ではあるよな。