科学的思考の萌芽

「女子中学生の小さな大発見」 清邦彦 著 (isbn:4101317313)


ラジオ(のPodcast)で大森望氏が紹介してたのを聞いて、ちょっとピンと来るモノがあったので購入。
ピンと来たのは私だけではなかったらしく、殆どの書店でしばらく品切れになってた。
現に今も特定の書店にしか無いっぽい。(今日も3軒回って在庫してたのは一軒だけ)
薄い本なのでほぼ一気読みだったのだけど、これは大当たり。面白い。
殆どが中学生女子が妙な予備知識無しで勝手に行った実験についての報告の形式になっているのだけど、科学的に間違ってたり何がやりたいのか判らないような実験もあったりする上に、理科の教師である著者はそれに何のツッコミも入れていないので、ある程度の科学的素養が必要かも。いや、科学的素養と言ったって学生時代に理科が好きでテレビの科学番組を好んで見る程度でも可ではあるけどね。
そもそも、これは科学的な知識を得る本ではなくて、中学生女子といういかにも科学から遠そうな子供達が科学的な思考に目覚める瞬間のレポートみたいな趣がある。
そんな訳なので、苦笑するような勘違い実験がある一方で、時々はっとするような的確な実験結果も有ったりするのが面白い。*1
そんな訳で Amazon でも品切れかもしれないけどオススメ。

*1:「おお、君のその実験は大学の偉い先生が本気で研究してる分野だよ」とか言いたくなる事も…。