そろばんずく(違う)

武士の家計簿 (http://www.bushikake.jp/)

ユナイテッドシネマ豊洲にて鑑賞。
ストーリーその他は公式サイトで見てもらうとして…。
これはあれだ、「ガイアの夜明け 企業再生物語」+王道のホームドラマだ。(苦笑)
そんなもんが融合すんのかよと思うだろうけど、それは結構上手くいってる。
実際、借金漬けの猪山家を再建する様子はガイアの「企業再生」っぽくなっていて、借金を減らす手段に至っては、現代でも不良債権の処理に使われる手法そのままだったりする。しかし家庭内の人物描写はちゃんとホームドラマになってる。その辺りは巧い。
ただ、なんとなく大きな展開が無くて面白味に欠けるような話であることは否めない。ラスト付近に明治維新時のゴタゴタが来るのだけど、その辺りは本来ドラマチックな展開になりうるのに、割と普通にスルーしている。たぶんわざとだろうけど、個人的にはその辺をもうちょっと掘り下げる描写が欲しかった。
で、森田芳光監督の作品は凄く久しぶりに見たのだけど、なんか凄く普通の映画を撮る監督になっちゃったなぁという感じがしてしょうがない。以前はもっと先鋭的かつ実験的で凝った(というか奇を衒った)カメラアングルや展開が多かったのに、なんか凄く普通になってしまった。良くも悪くも古き良き日本のホームドラマみたいな映像(ただし時代劇)になってしまっているのが、ちと残念。


と言う訳なので、この作品はテレビのホームドラマが好きな人にはオススメ。時代劇好きの人にはきっと物足りないと思う。ぶっちゃけコレは時代背景が幕末というだけで、内容は全然時代劇じゃないし。(むしろ現代劇っぽさが強い)


そうそう、宮川一郎*1が出てくる所は、古くからの森田監督ファンへのサービスだよね?

*1:もうすっかりオッサンだが