ツール・ド・フランス2010(HIS) 第15ステージ フランス王者ヴォクレール、超級峠で飛び出し1年ぶり2度目のステージ優勝!マイヨジョーヌは8秒差でコンタドールが逆転! (http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=15090)
トマ・ヴォクレが超級の峠を単独で征してステージ優勝。フランス人は大喜び。
というステージの話題はともかく(苦笑)…。
問題はアンディ・シュレクとコンタドール。
- 超級の上りでアンディ・シュレクが幾度となく軽いアタックを繰り返してメイン集団を振るい落とし
- 集団にはコンタドール、ヴィノクロフ、サムエル・サンチェス、メンショフ等の有力選手が残る
- そこで駄目押しとばかりにアンディ・シュレクが猛アタック!!
- 瞬時に反応したのはヴィノクロフ。コンタドールを含む他の選手は一瞬遅れる。
- シュレクはヴィノクロフを率いて上る…と思われたら、いきなりストップ。チェーンが外れてる。
- シュレクのアタックから一瞬遅れていたコンタドール、サムエル・サンチェス、メンショフがシュレクをパスして加速。
- シュレクはサポートカーを待つもなかなか来ず。チェーンを自分で直そうとする。
- コンタドール、サムエル・サンチェス、メンショフの3人はそのまま競うように加速して遥か彼方。
- ようやく再スタートしたシュレク。前にはだれもおらず。
- シュレクの動きをマークするようにヴィノクロフがシュレクの後を走る。
ツールでよく見られる場面としては、有力選手がメカトラブルや避けられない落車等の場合に、トップ集団がスローダウンして待つという場面があるのだけど、今回はコンタドール以下が全く待たずに、むしろ加速して行ってしまった事が物議をかもしている。
個人的な意見だと、この場合は待たないのが正解だと思う。
トラブルを起こしたシュレクは、今まさにアタックした直後だったのだというのがポイント。
つまり「お前等、これを食らえー!」とばかりに攻撃をした瞬間に「うわ、トラブルトラブル、今の攻撃は無し無し!!」とは言っても通らないだろうという事。それ以前にシュレクが何度か攻撃をしていた為に集団内は既に臨戦態勢になっていた。
しかも、サムエル・サンチェス、メンショフもこのシュレクのアタックに反応していたのだから、タイム差2分程でこれらの選手をリードしていたコンタドールが待つ訳にはいかんだろうという事もある。
そもそも、総合上位の選手達だけ、他の選手を待たせる権利が有ると言う考え方そのものが私の思考には馴染まない。不意のトラブルもまたレースの一部だと考えるべきだと思っているから。そうでないと、不意のパンクや落車で脱落した多数の選手達が浮かばれない。
ともあれ、シュレクを置いて走ったコンタドール、サンチェス、メンショフの3人はシュレクに39秒の差をつけてゴールした。
結果8秒差でコンタドールがマイヨジョーヌを獲得。
しかし、まだツールは終ってない。
アンディ・シュレクの猛アタックがまた見られるだろう。