あのラストが前提?

パーマネント野ばら (http://www.nobara.jp/)

シネリーブル池袋にて鑑賞。
んあー。やっぱりサイバラ作品は実写に向かないのかな〜。
という感じ。
やっぱり原作を先に読んじゃってる人は駄目かもしれんなぁ。何も知らん状態だとそれなりに面白く観れるのかもしれないけど。
一応、主人公の「なおこ」を演じる菅野美穂のキャスティングをはじめ、街の雰囲気やらエピソードやらで、ちゃんと原作と同じような雰囲気を表現しようとしているんだけど、やっぱり実写にすると悲惨な感じがするシーンは気になる。原作の「悲惨だけど笑える」、「悲惨だけど優しい」感じは実写映画では無理なのかも。*1 で、帰ってから原作を読み返してみたんだけど、原作はもっと悲惨(かつ下品)なエピソードが多いんだな。映画もあれはあれでソフトになってる。けど、全体の印象として原作よりも悲惨っぽい。何故だ?
って、やっぱりそこがサイバラ画伯のタッチであり味なのかな。
それと、この映画ってラストを強調する為に、ラストから逆算したような演出が多い。普通の映画ならそれは伏線という事で済む話なんだけど、原作では(たぶん)ラストを考えないで作ってたと思われる部分が沢山あるのね。だからこそ唐突なラストが鳥肌モノなんだけど、映画では伏線張っちゃったから、そこまでの驚きは無いような気がする。って、これは原作を知らない人に聞いてみたい。


そうそう、一つ残念だったのが原作にあった男の子と草原で戯れるシーンが無かった事。これは同時期に連載してた「いけちゃんとぼく」とリンクするような不思議なシーンなんだけど、そこはバッサリと無し。ポッカリと浮いた感じのエピソードなんで切りやすい部分とは言え、ちと残念。
…そうか。こういう細かいエピソードを山のように重ねた結果としてのラストというのが原作の深みになってるんだな。映画の尺ではそれは無理だものなぁ。


ともあれ、原作を読んでない人にとっては普通に良い映画なのかも。


*1:ぼくんち」でも出来てなかったし。