ビューティフルドリーマー

スカイ・クロラ (http://sky.crawlers.jp/)

MOVIX亀有で鑑賞。

押井守監督はいったい何本「ビューティフルドリーマー」を撮る気だろう?
と思わせる映画。
繰り返される戦闘と、繰り返される生と死。
国の利害関係と無関係のゲーム化されたニセモノの(しかし人は死ぬ)戦争。
ビューティフルドリーマー以降、パトレイバー2GHOST IN THE SHELL、アヴァロン、イノセンスと押井監督が追求してきたテーマがまたここでも繰り返される感じ。
押井監督作品が苦手な人は駄目かもしれんね。尤もそういう人はこの映画は観ないだろうけど。
全体的に押井テーマが凝縮された感じで素晴らしいのだけど、欲を言えば敵方の「ティーチャー」の描写が欲しかった。
いや、自分だったらティーチャーと同じように「戦い続ける終わらない子供」であるキルドレの存在を知れば、それを「終わらせる」立場に回るかもしれない。そう思う。


映像的には、空中戦とレシプロ機の描写は素晴らしい。
飛行機を描かせたら誰にも負けないと豪語していた宮崎駿氏でも、きっとこれは描けないと思わせる映像が多い。技術的にではなくて「文化人宮崎駿」の倫理観では描けない映像という事。*1


押井節に免疫のある人なら観ておいて損は無い。と思う。


そうそう、ラストシーンでタバコに火を付けた後のマッチを映さなかったのは何故だろ?
伏線だと思って待ってた人からすかし落ちで逃げたのかな? (わざとらしいシーンだからカットしたのかもしれないけど)

*1:というか、最近の宮崎氏はその辺の葛藤でオカシクなっているんじゃないかという気すらする。余談だが。