フーテンの苦虫娘

百万円と苦虫女 (http://www.nigamushi.com/)

シネセゾン渋谷で鑑賞。
ストーリーその他は公式サイトで見てもらうとして…。
蒼井優さんの苦虫女っぷりが良いなあ。
困ったような嫌々な感じの笑顔がこれほど似合う女優さんってのもそうは居なません。むしろ紅茶のCMでフツーっぽくニコニコ笑ってる姿の方が違和感あるもの(褒めてます)。
脇を固める森山未來ピエール瀧氏も笹野高史氏も佐々木すみ江さんも、もう揃って良い。笹野さんは相変わらずアドリブ効かせ過ぎだし(笑)。
詳しく書くとネタバレになりそうなので多くは書きませんが、いろいろと面倒になって住む場所を点々とするストーリーなのに、基本的に不器用で憎めない感じの人ばかり。普通嫌になって逃げ出すストーリーだと、それなりに悪くてイヤな感じの人を揃えなくちゃいけないんだけど、この映画はそれをしていない。その為に鑑賞後の感じは凄く良い。さらに原田郁子さんのエンディング・テーマもそれに貢献している。
そして、主人公の鈴子の精神的な成長物語になってるんだけど、それとは全く別の本人も与り知らない部分でいじめられっ子の弟の成長に関わっている構成は上手い。なんだかんだ言って結局良く似た姉弟なのがちゃんと判るようになってる。


それにしても、この構成だといくらでも続編つくれそうだよな。やるかどうかは別として*1
それと、どっかのインタビューでも答えてたけど、タナダユキ監督が「男はつらいよ」をこんなに好きだとは思いませんでした(笑)。鈍感でトラブルメーカーの車寅次郎と違って必要以上に敏感で煩わしい事から逃げ出す主人公という違いは大きいけど、ゴロゴロと鞄引きずってどこかの町かどこかの村にふらっとやってくきて、またふらっと去って行く感じはまさにフーテンです(笑)。


日々の人間関係とか他人の視線とか期待とかが煩わしくなって、自分の事を誰も知らない場所に行く事を妄想するような人(主に私)にはオススメ。観るべし。

P.S.
ラストはあれで良いんじゃないでしょうか。
というか、こないだ観た「純喫茶磯辺」と重なる感じでアレッ?と思いましたが(謎)。
あーゆーの流行ってるんですかね?

*1:やんないと思うけど