子ブタのワルツ

ペネロピ (http://www.penelope-movie.com/)

「スクリーンが見やすいけど尻の痛くなる劇場」ことテアトルタイムズスクエアにて鑑賞。
5代前の爺さんにかけられた呪いでブタ鼻に産まれた女性「ペネロピ」が(いろいろな意味で)開放されるまでの話をコメディタッチの寓話に纏めた作品。
と要約すると単純なんだけど、落ちぶれた貴族の話あり、世間から隠して育てられたペネロピの秘密を追う記者が片目で低身長症*1だったり、イギリス人の差別意識とかトバしまくるタブロイド紙(イギリス名物ではあるが)について考えたりと、深読みするとかなり重い話だったりして興味深い。
全体的には、(コメディで包まれてはいるけど)イギリスの貴族階級に対する、かなり強烈なイヤミになってるのも面白い。
途中でペネロピが訪れるパブは貴族階級だったらまず入らない場所の筈。日本での「格差社会」というのは単純な経済力の事だけど、イギリスの「階級社会」というのは経済力の問題ではなくて、その人の出自が大きく関わるんだよな。
そう言えば、最後にペネロピの両親が住んでいたのは、冒頭に出てきた門扉のあるお城みたいな家じゃなくて普通のドアのある家だったけど、これって貴族として落ちぶれた事を暗示しているのかな? 父親の方は最後まで楽しそうだったけど。
と言うか、このオヤジは最初から最後まで娘をありのまま受け入れてノホホンとしている良いオヤジなんだな。娘の外見や言動で一喜一憂する母親との良い対比にもなってるし。
それにしても、ブタ鼻のクリスティーナ・リッチが可愛い。
むしろ、普通の鼻よりそっちの方が良いんじゃないかしらん?(笑)

*1:いわゆるミゼットの人