ランス危うし

ツールV7アームストロング、99年に薬物使用…仏紙(http://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20050823i514.htm)

掲載されたのがフランスのレキップだという事なので、それは差し引いて*1考える必要が有りますが、ランスにとっては、少々危うい内容ではあります。

同紙によると、99年のツール・ド・フランス大会中に採取し、保管してあったアームストロングの尿サンプルを、国立反ドーピング研究所が最近、研究目的で調べたところ、そのうちの6検体から持久力を高めるEPOの陽性反応を示す結果が出たという。当時、EPOは禁止薬物に指定されておらず、検査は行われていなかった。

これも、ちょっと事実誤認の様な気が…。当時EPOは禁止薬物になっていなかったのではなくて「EPOの使用を検出する技術が確立されていなかった」というのが実情だった筈です。
当時はEPOのドーピングチェックの代わりに、血中ヘマトクリットの値を調べていた筈です。その為に同じ年ツールの前に行われた、ジロ・デ・イタリアでは、最終ステージを前にして総合首位だったマルコ・パンターニが血中ヘマトクリットUCI規定値の50%を超える52%だったという事で出場停止処分を受けています。(ただし、薬物の使用を特定できないので、ドーピングの裁定はされていない。個人的見解だと黒に近いような気がするが、生まれつきパーセンテージが高い人がいるというのも事実なので断定は出来ない。)
逆に言えば、UCI既定値の50%をギリギリ超えないように調整してEPOを投与するという事は可能だった事になります。(例えば、血中ヘマトクリットが40%程度の人にEPOを投与して50%ギリギリに調整すればドーピングがバレなかったという事。)

レキップの記事が本当に「1999年当時の尿を現在の技術で検査した」という事だとすると、限りなく黒に近いと言えそうです。

さて、どう決着することやら。

*1:基本的にフランス人はランス嫌いが多い。